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V (1983) & V: THE FINAL BATTLE (1984)

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CREDIT

V (1983)

脚本 ケネス・ジョンソン
監督 ケネス・ジョンソン
出演 ジェーン・バドラー、フランク・アシュモア、ボニー・バーレット、ダイアン・キャリー、マイケル・デュレル、ロバート・イングランド、フェイ・グラント、リチャード・ハード、リチャード・ローソン、ピーター・ネルソン、デヴィッド・パッカー、ネヴァ・パターソン、アンドリュー・プライン、マーク・シンガー、ジェニー・サリヴァン、ブレア・テフキン、ペネロープ・ウィンダスト、マイケル・ライト
製作総指揮 ケネス・ジョンソン、ブランドン・タルティコフ
製作 チャック・ボウマン、パトリック・ボイリベン
音楽 ジョー・ハーネル
撮影 ジョン・マクファーソン
編集 ポール・ディクソン、アラン・C・マークス、ロバート・K・リチャード、ジャック・W・ショーエンガース
制作会社 ケネス・ジョンソン・プロダクションズ、ワーナー・ブラザーズ・テレビジョン
配給会社 ワーナー・ブラザーズ・テレビジョン
オリジナル・ネットワーク NBC
公開 1983年5月1日 – 5月2日
上映時間 197分

V: THE FINAL BATTLE (1984)

原案 ケネス・ジョンソン
脚本 「Part 1」ブライアン・タガート、ペギー・ゴールドマン 「Part 2」ブライアン・タガート、ダイアン・フロロフ 「Part 3」ブライアン・タガート、ファウスタス・バック
原作 「Part 1」リリアン・ウィーザー、ペギー・ゴールドマン、ファウスタス・バック、ダイアン・フロロフ、ハリー&レニー・ロングストリート 「Part 2」リリアン・ウィーザー、ダイアン・フロロフ、ペギー・ゴールドマン、ファウスタス・バック 「Part 3」リリアン・ウィーザー、ファウスタス・バック、ダイアン・フロロフ、ペギー・ゴールドマン
監督 リチャード・T・へフロン
出演 ジェーン・バドラー、マイケル・デュレル、ロバート・イングランド、フェイ・グラント、リチャード・ハード、トーマス・ヒル、マイケル・アイアンサイド、ピーター・ネルソン、デヴィッド・パッカー、ネヴァ・パターソン、アンドリュー・プライン、サンディ・シンプソン、マーク・シンガー、ブレア・テフキン、マイケル・ライト、デニース・ガリク
製作総指揮 ダニエル・H・ブラット、ロバート・シンガー
製作 パトリック・ボイリベン、ディーン・オブライエン
音楽 「Part 1」ジョセフ・コンラン、バリー・デ・ヴォーゾン 「Part 2」&「Part 3」デニス・マッカーシー テーマ&追加音楽 ジョセフ・コンラン、バリー・デ・ヴォーゾン
撮影 スチーブン・ラーナー
編集 マイケル・アンダーソン、ポール・ディクソン
制作会社 ブラット-シンガー・プロダクションズ、ワーナー・ブラザーズ・テレビジョン
配給会社 ワーナー・ブラザーズ・テレビジョン
オリジナル・ネットワーク NBC
公開 1984年5月6日 – 5月8日
上映時間 268分

STORY

V Part I -来訪者(ビジター)-

壮大なスケールで描く未知なるドラマが誕生した

 ある日、雲ほどもある巨大なUFOのマザー・シップが数十隻も地球に飛来。エイリアン “ビジター” たちの司令官は以外にも平和と友好を全人類に約束するが、その裏には人類絶滅の危機をはらんだ陰謀が隠されていた……。
 全米でオン・エアーされるやいなやアメリカTV史上に残る高視聴率をマークした27.487秒にも及ぶ幻のSF超大作がついにビデオでも日本上陸。
 製作総指揮・脚本・監督は「600万ドルの男」「地上最強の美女/バイオニック・ジェニー」「超人ハルク」と次々にヒットを飛ばすケネス・ジョンソン、特殊視覚効果に「トワイライト・ゾーン/超次元の体験」「ブルー・サンダー」のドリーム・クエスト・イメージーズ社、マット・ペイントを「スタートレック」「2010年」のマシュー・J・ユーリッチ、また「未知との遭遇」でマザー・シップを制作したグレッグ・ジーンがミニチュア制作を担当した超ド級大作。
 出演は「ミラクルマスター/七つの冒険」のマーク・シンガー、「アメリカンヒーロー」のフェイ・グラント、そして「エルム外の悪夢」のフレディ役を演じ一躍人気スターとなったロバート・イングランドら。なお本ビデオでは全米オン・エアー時にカットされた未公開部分が多分に収録されているのも話題。 (文・光山 昌男)

「ワーナー・ホーム・ビデオ」VHS『V Part I -来訪者(ビジター)-』パッケージより

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V Part II -抵抗(レジスタンス)-

友好的なメッセージの裏に隠された彼らの真の目的とは……

 地球に友好を求めてやって来た、一見人間の姿をしたビジターたちの驚くべき実体と本当の目的に気づき始めた少数の人々は、対ビジター攻撃組織を結成し、反撃の準備を始める。ところが、ビジターに捕まり危うくUFO母船で処刑にされかけたTVカメラマンのマイク・ドノバンの命を救ったのは、地球侵略計画に反対するビジターたちだった。彼らの助けを借りてマイクは母船の中に閉じ込められている人質をシャトルで救出しようと試みるが……。
 全米で高視聴率をマークし、日本ではその規模の大きさから放映が見送られていた幻のSF超大作「V」。そのPART IIではビジターたちの隠された正体と、その驚くべき目的が430カット以上もの驚異のSFXとともにいよいよ明らかにされる。ビジターが必要とする地球でしか得られない特殊化合物とは?母船に連れ去られた人々はいったいどうなってしまったのか?
 題名の「V」とは、地球を訪れた訪問者たち(Visitors)の “V” であり、そのえじきとなった犠牲者(Victim)の “V” であり、そして彼らを撃退し、人類の勝利(Victory)を意味する “V” なのである。 (文・光山 昌男)

「ワーナー・ホーム・ビデオ」VHS『V Part II -抵抗(レジスタンス)-』パッケージより

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V Part III -潜入(スニーク・イン)-

人類の英知の結集は恐るべき罠に打ち勝つことができるのか!?

 地球に豊富にある水資源と、人類の新鮮な生血と肉体をねらうエイリアンたち。外見は人類と寸分も違わないが特殊な生科学フォームの皮膚の下は、グロテスクなトカゲの姿だった。人類は彼らを美ビジター(来訪者)と呼び、ある者は彼らを平和の使者と信じ、ある者は彼らの陰謀を打ち砕くためにレジスタンス活動を続けるのだった。
 史上最長のSF巨編「V」第3弾では、マイクを筆頭とするレジスタンスたちが、ビジターらの本性を全世界の人々に知らせるために、ビジターの最高司令官によるTV中継をねらったゲリラ作戦を企てるが…。
 製作総指揮はダニエル・H・ブラットとロバート・シンガー、監督は『未来世界』『探偵マイク・ハマー/俺が掟だ!』のリチャード・T・ヘフロン、特殊メイク&SFXは『マニトウ』『アニマル大戦争』のジーン・グリッグ、特殊視覚効果は『ガバリン』『世紀の賭け』のドリーム・クエスト・イメージーズ社。出演はマーク・シンガー、フェイ・グラントらのレギュラー陣に加え、ゲストに『ピラニア』『ハウリング』『エクスプロラーズ』のディック・ミラー、『宇宙空母ギャラクティカ』のフランク・アシュモアら。 (文・光山 昌男)

「ワーナー・ホーム・ビデオ」VHS『V Part III -潜入(スニーク・イン)-』パッケージより

V Part IV -脱出(エスケープ)-

地球人と異星人(ビジター)の子供が誕生した - それは悪魔の使いか急性異種か!?

 かつて合衆国政府の戦争屋として暗躍していたハムとクリスが仲間に加わり、マイクは捕虜となったレジスタンスの女性リーダー、ジュリーのUFO母船からの救出に成功する。しかしジュリーはビジターの科学主任ダイアナによって洗脳手術を受けていた。やがて艦隊司令官パメラの命令によりビジターたちはわずか30日間でカリフォルニアの真水を吸水し尽くす計画を実行に移すが、マイクたちはそれを阻止しようとクリスの開発した新型爆弾を片手にダムに乗り込む。またダイアナの人体実験の一環としてビジターのブライアンとの間に子供を宿してしまったロビンがついに出産。生まれたのは元気な双子だったがその内の1人は……。
 ハム役に『トップガン』『スキャナーズ』のマイケル・アイアンサイド。パメラ役に『スーパーマンI・II』『太陽の七人』のサラ・ダグラスを新メンバーに迎え、人気SF巨編『V』第4弾は、最高の盛り上がりを見せる。
 生まれてくる赤ん坊ももちろんすごいが、ダイアナの拷問幻覚映像はスペース・ゾンビや巨大トカゲモンスターなどが続々登場してSFX度満点! (文・光山 昌男)

「ワーナー・ホーム・ビデオ」VHS『V Part IV -脱出(エスケープ)-』パッケージより

V Part V -決戦(ファイナル・バトル)-

歴史をかけた想像を絶する戦いが今、始まる

 7時間以上にわたる超大作SF巨編『V』。いよいよエイリアン"ビジター"とマイク・ドノバン率いるレジスタンスとの闘いもクライマックスを迎える。人類は果たしてはるか宇宙のかなたから巨大な母船を率いてやって来た高度科学文明を持つっビジターたちを撃破できるのだろうか?それとも彼らの食料として全滅の道をたどるのだろうか?
 ビジターとロビンの間に生まれてきた双子の子供の1人はエリザベスと名付けられ特殊な超能力を使い、また人類の数十倍の早さで成長を続けた。一方トカゲの格好をしたもう1人は間もなく病に侵され死んでしまう。その死因が地球人には全く無害なウィルスであることを突き止めたジュリーは、ビジター攻撃用に細菌兵器を作り、世界中に散らばったレジスタンスに配る一方で、マーチンを中心とする地球人に友好的なビジターの協力者を救うためのワクチン開発を急ぐのだった。そしていよいよ最後の決戦の時が訪れた。世界中の同志たちの手によってビジター撃滅のためのウィルスの詰まった風船が最後の希望を乗せて一斉に宙に舞い上がった。しかし、その時ビジターの科学主任ダイアナは水爆による地球攻撃を実行に移そうとしていた……。 (文・光山 昌男)

「ワーナー・ホーム・ビデオ」VHS『V Part V -決戦(ファイナル・バトル)-』パッケージより

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RETROSPECTIVE / REVIEW
1987年11月6日に「ワーナー・ホーム・ビデオ(英語: WARNER HOME VIDEO)」からVHSがリリース・レンタルされるやいなや、日本中のレンタルビデオ店で「貸出中」が続いた超話題作。
「全5巻7時間38分07秒」というのを全面に押し出していて、価格は「(特典2本付き)」で「¥47,000」でした。
高っ!

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ずっと知らなかったんだけど、アメリカでは5パートの制作・放映は一気に行われたわけではなく、NBC(NATIONAL BROADCASTING COMPANY)の「ミニシリーズ」としてまず「Part 1」と「Part 2」が制作され、1983年5月1日、2日に放映されました。

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残りの3パートは完結編ミニシリーズ『V: THE FINAL BATTLE』としてそのあとに制作され、1年後の1984年5月6日から8日にかけて放映されています。

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1983年の「Part 1」は全米でレーティング(=全世帯数に対して何%が視聴したか)25.4%をマーク、「Part 2」はそのさらに上を行く27.0%をマークしました。
どちらもシェア(=テレビの電源を入れていた全世帯数に対するパーセンテージ)は40%。
これは8000万人以上が観た計算になるそうで、その後2年間NBCの最高視聴率番組として君臨しました。
おかげでNBCの経営状況も好転。

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アメリカでの放映から日本でVHSのリリース・レンタルが開始されるまでの4年以上のタイムラグについて、「ワーナー・ホーム・ビデオ」から本国アメリカより10年以上も早くリリースされた日本版レーザーディスクの解説には次のように書かれています。

- ところで、「V」全5巻が一応完結したのは1984年であったのだが、日本でリリースされたのは1987年。このブランク期間、我らが「V」は一体どうしていたのであろうか。実はこの「V」のリリースにあたっては、数多くの問題があったらしい。まず何よりも、そのあまりのスケールの大きさがあった。7時間以上にも及ぶ、この壮大なストーリーが日本で受け入れられるのか、配給スタッフは相当悩んだのであろう。一時は幾つかのエピソードをカットして、4時間ぐらいのショートバージョンを作る事も考えたというが、この物語においては、ほとんどすべてのエピソードが互いに関連し合い、重要な伏線として後につながって行くという構成になっているため、それは不可能であった。「あまりの長さに、見てくれる人がいないのでは…」「レンタルでもチャートの上位に上がって来るのは劇場でヒットした作品ばかり。日本では無名の"V"がヒットするのは難しいだろう」「いや、しかし今こそ、ビデオでしか楽しめないこうしたスケールの大きな作品が待ち望まれているのではないだろうか…」スタッフの間では、連日こんな講論が交わされていたという。そうして得られた結論は、「"V"の魅力は、その壮大なスケールにある。見てもらえば絶対に面白いのだし、むしろその規模の大きさを人々に伝え、とにかく内容を見てもらうように努めよう」というものであった。- 早速、数々の仕掛けが用意された。無料プロモーション・ビデオ、オリジナル・ポスター、アドベンチャー・クイズ、テレフォンサービス……。スタッフは大忙しだったが、結果として日本に上陸した「V」は大反響を呼び、問い合わせの電話は鳴りっぱなしで、「史上最大のSFビデオ」にふさわしい記録的なヒットとなったのである。 (文・鍵谷 透) -

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その日本版レーザーディスクは「長時間(10面) ¥25,000」って、VHSめちゃクソ高い!
VHSがパートごとのパッケージングだったせいなのかもしれないけど、それにしたって…。

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世界的にも有名な故生頼範義氏による既出のポスターなど、日本の配給スタッフがどれだけ力を入れていたのかがよくわかります。
赤いユニフォームを着たビジターたちが整列している真っ赤なポスターは、本国アメリカで1990年代半ばに「ワーナー・ホーム・ビデオ」から『V: THE ORIGINAL MINISEIRES』としてリリースされた「Part 1」と「Part 2」の2本組VHSカバーにも採用されています。

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あのころのレンタルビデオ店はワクワクしたし、アツかった…。

そして1988年の12月2日、「Part 1」が『V パート1 ビジター 宇宙からの訪問者』のタイトルで日本テレビ系列『金曜ロードショー』にて日本初放映されました。
あまりのインパクトに翌日の学校はその話題でもちきり。
スケールやVFXなど、「アメリカのテレビってすごいなー」と何度思ったことか…。

「Part 2」は『V パート2 レジスタンス 壮絶なる抵抗』のタイトルで翌週に、続く『V: THE FINAL BATTLE』の3パートもそれぞれ『V パート3 スニーク・イン 決死の潜入』、『V パート4 エスケープ 恐怖からの脱出』、『V パート5 ファイナルバトル 最後の決戦』のタイトルで翌年頭に順次初放映されています。
もはや「一大イベント」で、最高28.7%、平均18.5%の高視聴率を記録。

当時角川書店発行のテレビ情報誌『WEEKLY ザテレビジョン』にはテレビ放送のキー局で放映される映画のVHS用ラベルが掲載されていて、『V』の時には5パートのそれらを定規とカッターでカットして、「標準」で録画した『Konica』のVHSテープ1本1本のケースに両面テープで貼り付けていました。
この時は「解説」の切り抜きもケースに入れてた…。

そのくらい夢中だったし、ぼくにとってはテレビもあのころが全盛期…。

余談ですが、同じ角川書店発行の雑誌『ビデオでーた』など、当時テレビ・ビデオ情報誌によってはVHS用のラベルシールをつけているものもありました。

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A clipping of "V: THE FINAL BATTLE PART 1" from a Japanese TV magazine, "The Television Tokyo Metropolitan Area Edition"

ストーリーは5パートできれいに完結しているのですが、アメリカでは全19話からなる週一の続編ドラマ・シリーズ『V2/ビジターの逆襲(原題: V: THE SERIES)』が、1984年10月26日から1985年3月22日にかけて放送されます。

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こちらは「ワーナー・ホーム・ビデオ」による日本でのVHSリリース・レンタル開始時にはテレビCMも頻繁に流れていました。
この時も「長時間」っていうのをものすごく押していたけれど、今考えると不思議だなー…。
価格は「全22本組 特別価格 ¥168,000」!
たけーっ!
どのへんが「特別価格」だったんだろう?

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1989年3月2日に「ワーナー・ホーム・ビデオ」から日本のみでリリースされた『V2/ビジターの逆襲』の10枚組レーザーディスクセットは、今では世界中のコレクターたちの「マストアイテム」。

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「¥48,000」って、ディスク枚数は前作の倍になったのに、値段はそこまで大きくは変わらなかったんだ…。
やっぱりVHS高すぎじゃね?

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1990年5月25日に『金曜ロードショー』で第1話と第2話が初放映され、そのあとは確か深夜に放映されていたけれど、無理やりすぎるストーリー展開についていけなくなって観るのを止めてしまった…。
実際アメリカでも視聴率の低下によってシーズン途中でキャンセルとなり、最終話は撮影されていません…。

シリーズの生みの親で、『V: THE ORIGINAL MINISEIRES』の製作総指揮・脚本・監督のケネス・ジョンソンは、ABC(AMERICAN BROADCASTING COMPANY)の『600万ドルの男(原題: THE SIX MILLION DOLLAR MAN)』(1973-78)、そのスピンオフ作品『地上最強の美女/バイオニック・ジェニー(原題: THE BIONIC WOMAN)』(1976-78)、CBS(CBS BROADCASTING, INC.)の『超人ハルク(原題: THE INCREDIBLE HULK)』(1977-82)や、1988年のグラハム・ベイカー監督作品『エイリアン・ネイション(原題: ALIEN NATION)』から派生したFOX(FOX BROADCASTING COMPANY)のテレビシリーズ版(1994-1997)と5本のテレビ映画版などを立ち上げた名テレビプロデューサー・監督・脚本家。

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1988年のシリーズ第2作『ショート・サーキット2/がんばれ!ジョニー5(原題: SHORT CIRCUIT 2)』や、元NBAのスーパースター、シャキール・オニール主演による1997年のDC作品『スティール(原題: STEEL)』などの映画も手掛けますが、どちらも評判はよくなく、「映画」というフィールドはあまりジョンソンには合わなかったよう…。

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彼の語りたいストーリーがどれも「テレビ」向きなのかも…。

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地球に異星人がやって来る時点ですでに荒唐無稽な本作ですが、ストーリーには独特の「リアルな怖さ」がありました。

本作のストーリーはアメリカの作家シンクレア・ルイスによる1935年出版の反ファシズム小説『IT CAN’T HAPPEN HERE(訳: ここでは起こりえない)』にインスパイアされています。

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ジョンソンが最初に書いた脚本には異星人は登場せず、アメリカ国内で成長したファシストによる国の乗っ取りと、突然戒厳令下に置かれた国がどう変わっていくのかを描いたものでした。
当時のタイトルは『STORM WARNINGS』で、ジョンソンはそれをテレビのミニシリーズの脚本としてNBCに持ち込みます。
しかしNBCの首脳部はストーリーがアメリカの平均的な視聴者には「知的すぎる」と考えました。
視聴率の取れる作品にするためにジョンソンはファシストを異星人に置き換え、当時『スター・ウォーズ』などでブームとなっていた「SF(=Science Fiction)」へと方向転換しました。

『V: THE ORIGINAL MINISEIRES』ではこの「置き換え」が細部に至るまで徹底的に行われていて、それに直面した社会を「マイノリティ」の視点から描いています。
だいぶ誇張されてはいるけれどそれがとても「リアル」で、またそれがほかの「異星人による地球侵略もの」と本作を大きく隔てています。

以下は、2001年に「ワーナー・ホーム・ビデオ」からリリースされた『V: THE ORIGINAL MINISEIRES』DVD収録のケネス・ジョンソンによる「コメンタリー」をベースに構成しています。

V パートI - 来訪者(ビジター) -

- 過去 現在 未来の抵抗の戦士(レジスタンス)に敬意を持ってこの作品をささぐ
To the heroism of the Resistance Fighters --past, present, and future-- this work is respectfully dedicated

報道カメラマンのマイク・ドノバンとサウンド・エンジニアのトニー・ワー・チョン・レオネッティは、内戦下のエル・サルバドルで全体主義政府と戦うレジスタンスのリーダーへのインタビューを行っていた。

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Evan C. Kim as Tony Wah Chong Leonetti and Marc Singer as Mike Donovan in V (1983)

撮影を終えた2人はピックアップ・トラックで戦場からの脱出を試みるが、敵ヘリコプターに追い詰められてしまう。

マイクが近づくヘリにカメラを向けると、ヘリは不意に攻撃を止め飛び去って行く。
怪訝に思ったマイクが振り返ると、巨大な1隻の円盤型宇宙船が、上空をゆっくりと彼の方へと向かって来ていた…。 -

このテレビ映画とは思えない「オープニング」は、カリフォルニア州ロサンゼルスの北東にある遊園地『シックス・フラッグス・マジック・マウンテン(英語: SIX FLAGS MAGIC MOUNTAIN)』近くの「Indian Dunes」で2日半かけて撮影されています。

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The shooting of the opening firefight at "Indian Dunes"
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本作と同じ「ワーナー・ブラザーズ」配給による1983年のオムニバス映画『トワイライトゾーン/超次元の体験(原題: TWILIGHT ZONE: THE MOVIE)』のジョン・ランディス監督による第1話「偏見の恐怖(原題: TIME OUT)」のベトナム戦争シーンの撮影中にヘリコプターが落下し、ローターに巻き込まれて出演のヴィック・モローと子役2人が亡くなったのもこの場所でした。

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オープニングの撮影には地上に2台、ヘリに1台のカメラが設置され、別アングルから同時に撮影されています。

レジスタンスのリーダーが敵のヘリに向かって銃を撃つシーンは「Part 2」のクライマックスに重ね合わせるためのもので、「レジスタンスのリーダー対全体主義」という図式がオープニングの時点で明確に提示されています。

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Marc Singer as Mike Donovan, Evan C. Kim as Tony Wah Chong Leonetti, and Robert Vandenberg as Rebel Camp Leader in V (1983)

主人公マイク・ドノバンを演じるマーク・シンガーはとある金曜日にキャスティングされ、翌週の月曜日から撮影に参加していました。
ぼくは本作でしか観たことがなく、あとは1982年の『ミラクルマスター/七つの大冒険(原題: THE BEASTMASTER)』からはじまるファンタジー・アドベンチャー・シリーズに出演していたことぐらいしか知らないな…。
2000年のシリーズ第1作『X-メン(原題: X-MEN)』や2006年の『スーパーマン リターンズ(原題: SUPERMAN RETURNS)』を手掛けたブライアン・シンガー監督の従兄弟。
上向き加減の鼻の穴とか、ケビン・ベーコンに似てない?

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本作のスタッフの誰もが好きだったというトニー・ワー・チョン・レオネッティにはエヴァン・キム。
本作以外では、1988年のシリーズ第5作『ダーティ・ハリー5(原題: THE DEAD POOL)』で演じたクリント・イーストウッド演じる主人公ハリー・キャラハンの相棒、中国系アメリカ人のアル・クワン役が有名。
ケネス・ジョンソンが手掛けたテレビシリーズ版『エイリアン・ネイション』の1エピソードも監督しています。

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ジョンソンはこのオープニングを「ドキュメンタリー」風に見せたかったため、マザー・シップが現れてはじめてジョー・ハーネルによる音楽が流れます。

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Marc Singer as Mike Donovan in V (1983)

本作ではルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの「交響曲第5番」や「交響曲第7番」などが効果的に使用されていますが、このシーンの「バ バ バ バー」は「交響曲第5番」の第1楽章の有名な出だしに似ているし、偶然にもどちらも「• • • −」という「V」を示すモールス信号と同じなのだそう。
「V」はローマ数字の「5」でもあります。

予算が足りず、このシーンや世界各国に現れるマザー・シップの多くは「マット・ペイント」によるものでした。
マット・ペインティング・スーパーバイザーのマシュー・ユリシーチ以下、アーティストが多かったためにマザー・シップの形が少しずつ違いますが、これは準備期間が2週間半しかなかったため。

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V (1983)

撮影は1982年10月にはじまり、撮影日数は54日間でした。
そのうちの5日間がセットでの撮影で、残りはロサンゼルス各地で行われています。
オープニングのスケールからして驚きですが、製作費も当時のテレビ映画としては最高額の1300万ドルでした。

- マイクが目撃したのと同型の宇宙船が50以上、世界中の大都市上空に現れる。

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V (1983)

翌日、各言語によるカウントダウンが世界中に響き渡った。
カウントダウンが終わり、男性の声が、グリニッジ標準時の翌日午前1時、ニューヨーク時間で同日午後8時に、国際連合本部屋上での国連事務総長との面会を要求する。

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V (1983)

午後8時、言葉のとおりマザー・シップから1機のシャトルが現れ、国連事務総長、武装した護衛、マイクやトニーを含むマスコミが待機している屋上に着陸する。 -

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V (1983)
kennethjohnson.us

シャトルの模型は3フィート(約90cm)で製作費は20,000ドル。
現在でもジョンソンのオフィスにあるそうです。

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V (1983)

- シャトル内から国連事務総長の母国語であるスウェーデン語の挨拶が流れ、続く指示に従って事務総長は単身シャトルに乗り込む。

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Wiley Harker as UN Secretary General in V (1983)

船外に戻ってきた彼は、シャトルに乗船している艦隊の最高司令官から人類に向けて直接話があると伝える。
姿を現した最高司令官は人間の要旨を持ち、自らをジョンと名乗った。
彼にとってはまぶしすぎる照明を抑えるためのサングラスをかけ、その声には奇妙な残響があった。
ジョンは深刻な環境問題に直面している自分たちの惑星を救う化合物製造のために地球の助けが必要であり、その見返りとして彼らの持つ高度な知識を人類に与えると話す。 -

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Richard Herd as John in V (1983)

シャトルが国連ビルの屋上に到着するシーンの楽曲は、イギリスの作曲家グスターヴ・ホルストによる大管弦楽の組曲『惑星(原題: THE PLANET)』の第1楽章「火星、戦争(戦い)をもたらす者(原題: MARS, THE BRINGER OF WAR)」にインスパイアされています。

ロケ地は「ロサンゼルス市警察(英語: LOS ANGELES POLICE DEPARTMENT=LAPD)」がヘリコプターの発着に利用している「C. ERWIN PIPER TECHNICAL CENTER」。
1983年のジョン・バダム監督によるアクション・スリラー『ブルーサンダー(原題: BLUE THUNDER)』にも登場します。

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美術監督チャールズ・R・デイビスがデザインしたシャトルは、シャトルのタイプによってユニットごとに自由に組み合わせられるようになっており、製作費の節約に大きく貢献しました。

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V (1983)
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違う場所にいる主要キャラクターたちが「テレビ」を通じてこの様子を観ているというのがとても印象的です。
今観ると、当時ぼくらの情報源の最たるものがテレビだったことを改めて思い出します。

実際には、テレビ画面を通した映像にしたのは細部まで見せなくて済むからだったそうですが…。

本作が「異星人の地球への侵略」を描いていることも含め、このことは1938年10月30日にCBSのラジオ番組『マーキュリー放送劇場(原題: THE MERCURY THEATRE ON THE AIR)』で「ハロウィン特別番組」として放送されたオーソン・ウェルズの『宇宙戦争(原題: THE WAR OF THE WORLDS)』を彷彿とさせます。

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この番組は音楽中継の途中突如「臨時ニュース」として火星人の地球への侵略が報じられるというもので、ストーリーの舞台も原作のイギリスからアメリカの実在する各地に変更されていました。
多くの聴取者がこの生放送に恐怖し、火星人侵略が実際に進行中であると信じました。
番組がフィクションである旨を告げる「おことわり」も何度か流れたそうですが、そのうちの1回は放送開始直後、残り2回は終了間際であったため、聞き逃した人々がパニックに陥ったと言われています。

今なら確実にスマホだな…。

- 国連事務総長とマイク、彼の元恋人でTVキャスターのクリスチーン・ウォルシュがゲストとしてマザー・シップに招かれる。

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Marc Singer as Mike Donovan, Jenny Sullivan as Kristine Walsh, and Evan C. Kim as Tony Wah Chong Leonetti in V (1983)

マザー・シップ内で彼らはジョンの次官ダイアナと出会う。
ジョンは彼女が船団の科学部門も率いていると説明する。 -

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Jane Badler as Diana in V: THE SERIES (1984)

ダイアナ役の俳優はなかなか見つからず、ジェーン・バドラーは撮影がはじまったあとで選ばれました。
はじめてバドラーに会ったジョンソンは、彼女の美しさとまなざしの持つ怖さに即決したのだそうです。
『V』シリーズのあとには、1988年から1990年にかけて放映されていたABCの『新スパイ大作戦(原題: MISSION: IMPOSSIBLE)』の第12話よりシャノン・リード役でレギュラーになっています。
でもダイアナとしての印象が強すぎて、いつまで経っても「味方」として観れなかった…。
まさに「妖艶」という言葉がぴったり。

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Phil Morris as Grant Collier, Thaao Penghlis as Nicholas Black, Peter Graves as Jim Phelps, Jane Badler as Shannon Reed, and Antony Hamilton as Max Harte in MISSION: IMPOSSIBLE (1988)

ダイアナは大人気キャラクターとなり、既述の『V2/ビジターの逆襲』の10枚組レーザーディスクセットにも、ジェーン・バドラー来日時の記者会見の模様が「〈ダイアナ スペシャル〉」として20分収録されています。

マイクとクリスチーンがVTRで観ているマザー・シップ内のシーンは、1954年に操業を開始したカリフォルニア州ヴァン・ナイズにある『バドワイザー』の醸造所で撮影。

「ワーナー・ブラザーズ・スタジオ」の2つのサウンド・ステージにマザー・シップのドッキング・ベイのセットが作られ、クルーは「ジョンソン・スペース・センター」というジョークの看板を取り付けていました。
予算が足りなかったため、「ステージ25」に作られたのは正面から見たドッキング・ベイの右側のみ。

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Kenneth Johnson on the set of V (1983)
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全体を映したショットでは中央部分をマット・ペイントで描き、左側に右側の映像を反転したものをつなげています。

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V (1983)

あらゆるVFX技術を駆使して「世界観」を作り上げているのも当時テレビ映画としては考えられなかったスケール。

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V (1983)
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- 異星人たちは地球への「来訪者(ビジター)」として歓迎され、人間との関係は急速に発展していった。

ティーン・エイジャーのダニエル・バーンステインはビジターによる「ビジター・フレンズ」プログラムに参加し、ビジターのヤング・リーダー、ブライアンから茶色のユニフォームと高い地位を与えられた。
ダニエルの隣人、ロビン・マックスウェルはブライアンに惹かれてゆく。
マイクの母エレノア・デュプレスはビジターの警備隊長スチーブンとの親交を深め、ビジターの化合物製造のために夫(マイクの継父)アーサーに彼がロサンゼルス近郊に所有する巨大な化学工場を提供するよう求める。
クリスチーンはビジターのスポークスマンに任命された。 -

ビジターに魅了されてゆくダニエルとその家族、人類学者ロバート・マックスウェルの一家、エレノアとアーサーの住む住宅街は、ロサンゼルス西部、サンタモニカ・マウンテン(英語: SANTA MONICA MOUNTAINS)と太平洋に挟まれた高級住宅地「パシフィック・パリセイズ(英語: PACIFIC PALISADES)」で撮影されています。

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Neva Patterson as Eleanor Dupres, Dominique Dunne as Robin Maxwell, Penelope Windust as Kathleen Maxwell, Viveka Davis as Polly Maxwell, David Packer as Daniel Bernstein, and Bonnie Bartlett as Lynn Bernstein in V (1983)

ダニエルは第二次世界大戦時のドイツの若者をモデルにしています。
当時、国の情勢に不満を抱いていた多くの若者が「ナチス(=国家社会主義ドイツ労働者党)」の「ヒトラー・ユーゲント(=ヒトラー青少年団)」に参加していました。

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Adolf Hitler poses with young men at a Hitler Youth gathering, 1935.
Universal History Archive / UIG via Getty Images

マックスウェル家の長女ロビンには、1982年のスティーヴン・スピルバーグ初プロデュース作品『ポルターガイスト(原題: POLTERGEIST)』でさまざまな怪奇現象に襲われるフリーリング家の長女ダナを演じたドミニク・ダンが配役されていましたが、本作の撮影がはじまった4週間後、逆上したボーイフレンドに絞殺されています。

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David Packer as Daniel Bernstein, Dominique Dunne as Robin Maxwell, and Marin May as Katie Maxwell on the rehearsal of V (1983)
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『ポルターガイスト』シリーズが「呪われた映画」と称されるきっかけとなった悲惨な事件です。

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『V: THE ORIGINAL MINISERIES』の「Part 2」の「エンド・クレジット」の最後には「ドミニク・ダンの美しき思い出に あなたがいなくて寂しい “In Loving Memory of DOMINIQUE DUNNE Her friends miss her”」とあります。

急遽ブレア・テフキンが代役として起用されましたが、失礼ながら終始かわいいとも綺麗ともなんとも思えないお方でした…。

マックスウェル家の次女ポリーを演じたヴィヴィカ・デイヴィスは2000年、トム・ハンクス主演のサバイバル・ドラマ『キャスト・アウェイ(原題: CAST AWAY)』に墜落する『FedEx』貨物機のパイロット、グウェン役で出演。

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Tom Hanks as Chuck Noland, Viveka Davis as Gwen, and Nick Searcy as Stan in Cast Away (2000)

ビジターのヤング・リーダー、ブライアンにはピーター・ネルソン。
1990年のシリーズ第2作『ダイ・ハード2(原題: DIE HARD 2: DIE HARDER)』ではテロリスト・グループの1人、英国旅客機を墜落させるために計器着陸装置(INSTRUMENT LANDING SYSTEM = ILS)を操作するトンプソンを演じていました。
ハンサムだけど、素顔の冷たさが印象的な俳優。

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Peter Nelson as Thompson in DIE HARD 2: DIE HARDER (1990)

ビジターたちが化合物製造に使用するアーサーの工場は、カリフォルニア州ロング・ビーチにある発電所「HAYNES POWER PLANT」。

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V (1983)

ダイアナに誘惑されてビジターのスポークスマンとなるクリスチーン・ウォルシュは、ナチスが政党を獲得した1933年、アドルフ・ヒトラーにその才能を高く評価され、ニュルンベルクでの「ナチス党大会」の模様を捉えたプロパガンダ映画『信念の勝利(英語: THE VICTORY OF FAITH)』や、国外でも高い評価を得た1934年の『意志の勝利(英語: TRIUMPH OF THE WILL)』などを監督したレニー・リーフェンシュタールがモデル。
戦後、1970年代以降には戦前の監督作品も含めて再評価の動きが強まった時期もありましたが、ナチスの協力者としてのイメージが消えることはありませんでした。

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Leni Riefenstahl

セリフのあるキャラクターだけでも56人いたそうですが、ジョンソンは本作を書く1年前に帝政ロシアの小説家レフ・トルストイの長編小説『戦争と平和(英語: WAR AND PEACE)』を読んだそうで、読んでいなければ『V』は書けなかったとのこと。
はじめはなんの関係もないように見えるキャラクターたちのつながりが、ストーリーが進むにつれてゆっくりとわかってくるような作品を書きたかったのだそうです。

- ビジターは自分たちに必要な化合物製造のために世界中の工場の改造をはじめる。

ロサンゼルスの工場に誤って派遣されたビジターのウィリアム(=ウィリー)は不慣れな英語のせいで迷子となり、ハーモニーという地球人女性に助けられる。 -

この2人の関係は、第二次世界大戦下のナチスと同じく、すべてのビジターが人類を滅ぼしに来ているわけではないということを描いています。

2人が出会うシーンではカメラがウィリーを追っています。
移動映像をスムーズに撮影するカメラ・スタビライザー(カメラ安定支持機材)の「ステディカム(英語: STEADICAM)」は当時まだ普及には至っておらず、カメラ・オペレーターのリック・F・ガンターによるハンドヘルドが際立っています。

本作の撮影監督ジョン・マクファーソンは、『600万ドルの男』、『ショート・サーキット2/がんばれ!ジョニー5』や『エイリアン・ネイション』でもジョンソンと組んでいます。
照明主任を13年務めたのちに撮影監督になった人物で、本作における光と影による表現は絶妙です。

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Diane Cary as Harmony Moore and Robert Englund as Willie in V (1983)

- ウィリーはビジターに対して不愛想な態度をとる地球人ケイレブ・テイラーの監督下に置かれた。
ある日、マイナス150℃の液体窒素で満たされたタンクに閉じ込められてしまったケイレブはウィリーによって救い出される。
ウィリーも怪我を負うが、最小限にとどまった。 -

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Jason Bernard as Caleb Taylor and Robert Englund as Willie in V (1983)

ビジターで唯一愛嬌のあるウィリーを演じたのは、ウェス・クレイヴン監督が1984年に解き放った『エルム街の悪夢(原題: NIGHTMARE ON ELM STREET)』シリーズの殺人鬼フレディ・クルーガーで有名なロバート・イングランド。
フレディ同様本作のウィリーも大変な人気で、ファンに尋ねられるのはフレディのことよりもウィリーのことの方が多いとジョンソンに話しているそうです。

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Robert Englund as Freddy Kruger in A NIGHTMARE ON ELM STREET (1984)

- こうしてビジターたちが人類の良き隣人となってゆく中、著名な人類学者アーチ・クイントンが姿を消し、彼の車の運転席側のドアの内側が奇妙に焼けていることがわかる。

マイクはビジター関連のイベントや活動をフィルムに収め、ロサンゼルス上空のマザー・シップを頻繁に訪れていた。
そんなある日、マイクはシャトルの中で鍵のようなものを見つける。
シャトルを操縦するビジターのマーチンに渡そうとするが、息子ショーンへの贈り物としてそれをポケットに忍ばせた。

ショーンの母親であるマージとマイクは、ショーンの愛が、自分よりもエキサイティングな人生を送っているマイクに向けられていることに対するマージのフラストレーションが原因で離婚していた。 -

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Joanna Kerns as Marjorie Donovan in V (1983)

のちに重要なアイテムとなる鍵も、現在はジョンソンが所有。

- 生化学者のルースがケイレブの衣服からウィリーの皮膚を採取して調べると、結果は不可解なものだった。
その発見の直後、彼女は自宅に潜んでいたビジターに連行されてしまう。

ノーベル賞受賞者で、ベルギーの「ブリュッセル生物医学協会」会員のモーリス・ジャンコフスキー博士が、ビジターに対する世界中の科学者たちの陰謀に関する声明を発表した。
彼は自分の声明に署名し、この陰謀を唱えている科学者たちのリストを提出する。
ビジターの安全を期すため、国連はビジターに対し、全科学者およびその家族の所在を届け出させることを約束する。

翌日、テレビ・スタジオでトニーはマイクに声明に署名するジャンコフスキーを写したビデオを見せる。
過去のビデオと見比べてみると、以前は右利きだったはずが、署名する際には左利きになっている。
別のノーベル賞受賞者、フランスの生化学者ドビビエ博士にも同じことが起こっていた。
疑問を抱いた2人は調査のためにロサンゼルスのマザー・シップへの潜入を決意し、改造された工場の1つに駐機中のシャトルに駆け寄る。
トニーが転んでしまい、マイクは1人でマザー・シップに向かうことになる。 -

マイクとトニーがビジターのシャトルに駆け寄るシーンでは、本作の「アクション・シーン」に何度も使われる楽曲が流れます。
本作のサントラ『ORIGINAL SOUNDTRACK RECORDING V』の1曲目「Opening Title / Donovan Looks Up」のアレンジで、アルフレッド・ヒッチコック監督の1959年の傑作スリラー『北北西に進路を取れ(原題: NORTH BY NORTHWEST)』のバーナード・ハーマンによるサントラ『ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK ALFRED HITCHCOCK’S NORTH BY NORTHWEST』 (TURNER CLASSIC MOVIES MUSIC)の1曲目「Overture」にそっくりです。

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ジョンソンと本作の音楽を手掛けたジョー・ハーネルは、おたがいの好きな曲を聴き、取り入れようと試みました。
オーケストラは60人編成。
豪華…。

2人は『600万ドルの男』、『地上最強の美女/バイオニック・ジェニー』、『超人ハルク』や『エイリアン・ネイション』でも組んでいて、息もぴったり。

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Joe Harnell and Kenneth Johnson on the set of V (1983)
kennethjohnson.us

ビジターたちの使うレーザー銃も、ドイツの名銃ルガーをモデルにデザインされています。

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Jane Badler as Diana, Richard Herd as John, Peter Nelson as Brian, and Andrew Prine as Steven in V The Final Battle (1984) in V: THE FINAL BATTLE (1984)

- マザー・シップに潜入したマイクは、ビジターの乗員たちが生成した気体化合物を大気中に廃棄しているのを目撃する。
彼らは廃棄のためだけにガスをマザー・シップに運び込むのがいかに無駄であるかを話し合っていた。
その様子を撮影すると、マイクは乗員の部屋に通じるダクト・トンネルに入って行く。 -

マザー・シップ内のダクト・トンネルは、カリフォルニア州スタジオ・シティにある「マック・セネット・スタジオ(英語: MACK SENNET STUDIOS)」で撮影されました。
撮影監督ジョン・マクファーソンによる鉄格子の影が、シーンに緊張感と不気味さを与えています。

- ある鉄格子の隙間からスチーブンとダイアナの会話が聞こえてくる。
2人はダイアナの「洗脳プロセス」について話し合っていた。
話し合いの最中、スチーブンがケージから1匹の白いネズミを取り出し、丸飲みする。

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Andrew Prine as Steven in V (1983)

ダイアナも大きなモルモットで同じことをするが、彼女の顎は大きく開かれ、飲み込む際には喉が膨らんだ。 -

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Jane Badler as Diana in V (1983)

ダイアナの「モルモット丸飲みショット」がパペットなのはバレバレだけど、はじめて観た時はめちゃめちゃびっくりした…。
このショットを抜きにして本作は語れないほどに有名なショット。
トラウマになってる人、たくさんいると思う…。

- その様子をカメラに収めたマイクは別の鉄格子に移動する。
隙間から覗くと、鏡の前に立つビジターが人間の目のようなものを取り外していた。
気配に気づいて振り返ったビジターの両目は赤く、爬虫類そのものだった。
ビジターはダクト・トンネルからマイクを引っ張り出して乱暴に投げ飛ばし、先がフォーク状に分かれた舌を伸ばして弱い毒の滴を吹きかける。

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V (1983)

マイクがビジターの顔に爪を立てて皮膚を引き剥がすと、粘着性のある緑のうろこと角の生えた頭部が現れた。

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V (1983)

顔を隠しながらも殺意をむき出しにするビジターの頭をカメラで強打し、マイクはダクト・トンネルを抜けてドッキング・ベイへと戻る。
警報を鳴らして彼を探すビジターたちの間隙を縫い、マイクは別のシャトルで地上に降下する。 -

ジョンソンによると、マイクとビジターの狭い部屋での格闘は、1963年の007シリーズ第2作『ロシアより愛をこめて(原題: FROM RUSSIA WITH LOVE)』のクライマックス、ジェームズ・ボンドと犯罪組織「スペクター」の刺客グラントが繰り広げるオリエント急行での戦いにヒントを得たのだそう。

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Sean Connery as James Bond and Robert Shaw as Donald 'Red' Grant in FROM RUSSIA WITH LOVE (1963)

「モルモット丸飲みシーン」とこの「格闘シーン」のおかげで、以降ビジターの誰を見ても「中身は爬虫類なんだよなー…」と思ってしまう…。

- マイクからテープを見せられたテレビ・スタジオのプロデューサーは、それを臨時ニュースとして放送することにする。
しかし生放送が開始される寸前に通信網がビジターに奪われ、化合物を製造する世界中の工場が科学者たちによる暴力を伴った妨害を受けたというビジター最高司令官ジョンの臨時ニュースが流れる。
事態を恐れる各国政府の首脳たちはビジターに保護を求め、現在はマザー・シップで安全に過ごしているとジョンは続ける。
また治安回復のため、ビジターは各国首脳と戒厳令の発令を決定し、各国警察と「ビジター・パトロール」がその任に当たることとなった。
ジョンはさらに、市民にマイク発見の協力を呼びかける。
彼はビジターを狙って巨大化するレジスタンス運動の首謀者と見なされていた。
武装したビジターの部隊がマイク連行のためにスタジオに現れるが、テープのコピーとともにマイクはかろうじてスタジオから逃げ出す。 -

「報道機関を抑え込んで宣伝する」というのも、どこの国でもクーデターが起こった際にはまず報道機関が抑えられることから得たアイデア。

ビジターの最高司令官ジョンが流す臨時ニュースでは、1930年代から40年代にかけてのドイツのプロパガンダ映画に使われていたシンボルが再現されています。

ヒトラーは1933年2月27日の夜に起こった「ドイツ国会議事堂放火事件」の罪を「コミュニスト=共産主義者」に着せて支持を集めました。
このシーンでもジョンが同じことをしようとしていて、真実のように思えるためにたくさんの人たちが彼の言葉を信じてしまいます。

「勝利も悲劇もない平凡な生活が激変したらどうなるかをこの作品で描いてみたかった 」とジョンソンは言います。

- マックスウェル家のメキシコ人の庭師サンチョは、自分がマックスウェル家と関わりがあるためにほかのクライアントを失いつつあるとロバートの妻キャシーに告げる。 -

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Rafael Campos as Sancho Gomez in V (1983)

これも第二次世界大戦時のドイツではよく見られた光景だそう。
ナチス占領下のフランスでは、人々がユダヤ人の下で働くことは難しくなっていました。
本作の場合、科学者の家で働くことが差別を受けるきっかけとなってしまいます。

『V: THE ORIGINAL MINISEIRES』ではとくに、「偏見」や「差別」をする者たち、される者たちが鮮明に描かれています。
観ていて「怒り」、そしてなにより「恐怖」がじわじわと伝わってきます。

- ダニエルの両親は新たな地位を手に入れた息子の態度が傲慢になっていくのを感じていた。
ある夜、リビング・ルームでビジター関連のリポートをするクリスチーンの番組を観ていた父親のスタンレーは、ほとんどのニュース報道がビジターに好意的であり、それをリポートしているのがクリスチーン1人であることに不満を漏らした。
ビジターから与えられた茶色のユニフォームや支給物に身を包んだダニエルは、父親から忠告されるとリビング・ルームを出て行った。
妻のリンに大声でビジターへの不満を話さないようたしなめられ、スタンレーは口をつぐむ。
2人はビジターに批判的な態度を取る自分たちが息子に密告される可能性があることを悟っていたのだ。 -

スタンレー・バーンステインは、「何も起きてない。自分には関係ない。何もしなければ大丈夫」という「事なかれ主義」の象徴として描かれています。

- 生化学者ルースの失踪後、彼女の友人で生化学研究生のジュリエット・パリッシュは数人の同僚、中小企業の経営者、そしてロサンゼルスの警察官と密かに会うようになっていた。
彼らは同様に反感を抱く同僚や、科学の分野で活躍する人間が続けて失踪していることに対してビジターを疑っていた。
小さなレジスタンス・グループの結成を提案したジュリーは、ビジターに関する情報を集め、上からの不当な扱いや迫害を経験した同じ考えを持つ人々を見つけることが重要だと話す。
さらにクリスチーン・ウォルシュと会って生まれたばかりのレジスタンスのために動いてくれるよう説得する役を買って出ると、できるかぎり多くの仲間を次の秘密会議に招くよう仲間に要求する。 -

本作のもう1人の主人公ジュリー・パリッシュを演じたフェイ・グラントは、1990年のクライム・スリラー『インターナル・アフェア/背徳の囁き(原題: INTERNAL AFFAIRS)』や、あまりよく覚えていないけれどアメリカではテレビ映画として放映された1991年のシリーズ第4作『オーメン4(原題: OMEN IV: THE AWAKENING)』にも出演しています。

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『インターナル・アフェア/背徳の囁き』ではかなりエッチな役どころでけっこうショックだった…。

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Richard Gere as Dennis Peck and Faye Grant as Penny in Internal Affairs (1990)

ジュリーはナチス占領下のベルギーのレジスタンス「The Comet Line(Le Réseau Comète)」のリーダーだったAndrée de Jonghという女性がモデル。
「The Comet Line」を率い、連合軍の兵士や、ヨーロッパの各地で撃墜された生き残りの航空隊員たちをナチス占領下のベルギーから脱出させました。
1941年8月から1942年12月までの間、80人以上の航空隊員をふくむ118人をベルギーから中立スペインまで護衛。
1943年1月にドイツ軍に捕らえられ、「The Comet Line」のリーダーではないかと疑われていた父親を守るために自分がリーダーであることを認めたにも関わらず、ドイツ軍は彼女のような娘がリーダーであるわけがないと最後まで彼女を信じませんでした。
収容所にも送られるも戦争を生き延び、2007年10月13日に90歳で亡くなられています。

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Andrée de Jongh

フェイ・グラントは後日彼女と偶然出会ったのだそうです。

ジュリーはジョンソンの娘の名前、マイクは次男から取られました。
ジョンソンはほかの登場人物にも自身の好きな人たちの名前をつけていて、逆に悪役には嫌いな人物の名眼をつけています。

- ロバート・マックスウェルは人類学者である自分もビジターに連行される可能性があることを知り、家族を集めてロサンゼルス郊外にあるキャビンに向かう。
ビジターと地元警察による検問の列に並んでいると、1人の男が車から飛び出し彼らの方へ逃げて来る。

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V (1983)

ヘルメットとバイザーを着けたビジター男に向かってがパルス・ライフルを発砲し、気絶させる。
男は2人の警察官に逮捕された。
そのうちの1人はビジターの取った行動に疑問を持つが、もう1人は法律は変わったのだと反論する。
自分たちの身の危険を感じたロバートは、車の向きを変えロサンゼルスに戻る。 -

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Michael Swan as Officer Bob Briggs, Penelope Windust as Kathleen Maxwell, Michael Durrell as Robert Maxwell, Viveka Davis as Polly Maxwell, Marin May as Katie Maxwell, and Michael Bond as Officer Randy Talbot in V (1983)

第二次世界大戦前のドイツやイタリアでも、自分が国に迫害される民族、例えばユダヤ人だった場合には苦境に陥り、突然にして命の危険にさらされることがあり、マックスウェル一家の置かれる状況はそれを再現しています。

- アブラハム・バーンステインは息子スタンレーのプール・ハウスをマックスウェル一家の避難所として提供する。
スタンレーは父親の行動に反対するが、アブラハムはヨーロッパがナチスの統治下にあった時、生後8ヶ月だったスタンレーを連れた自分たちがどのようにしてポーランドから脱出したのかを話す。
アブラハムはまた、心臓マヒで死んだとされてきたスタンレーの母親の死の真相を話して聞かせる。
彼女はナチの収容所のガス室に送られていたのだ。
彼はマックスウェル一家をかくまうことを強く主張し、最終的にスタンレーもそれに同意する。

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George Morfogen as Stanley Bernstein and Leonardo Cimino as Abraham Bernstein in V (1983)

ジュリーはクリスチーンと会うために彼女のアパートを訪れるが、そこでアパートの非常用はしごを登っているマイクを見つける。
マイクはクリスチーンにマザー・シップへ潜入したこととビジターの真の姿について話すが、彼らと多くの時間を過ごしているクリスチーンは彼の話を信じることができない。

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Jenny Sullivan as Kristine Walsh and Marc Singer as Mike Donovan in V (1983)

一方、外のジュリーはビジターのシャトルがアパートの屋上に着陸するのを目撃する。
自分を確保しようとするビジターたちに反撃し、マイクは脱出する。
ジュリーもその場を立ち去った。 -

レーザー光線のVFXは1発につき1,000ドルかかったのだとか…。
「コメンタリー」の中で、発射されるたびにジョンソンが金額を数えているシーンがあります。

- 雨の夜、帰宅したダニエルはリビング・ルームにいるロビンを見つける。
彼女は窮屈で居心地の悪いプール・ハウスから抜け出し、自分の家族がそこに隠れていることをダニエルに話してしまう。
その人生のほとんどの時間をロビンへの憧れに費やしてきたダニエルは、ロビンが自分ではなくブライアンに惹かれていることに激しい嫉妬心を燃やす。

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David Packer as Daniel Bernstein and Blair Tefkin as Robin Maxwell in V (1983)

ジュリーはケイレブ・テイラーの長男で同僚のベンと仲間の警官とともに、製薬会社の出荷場から盗んだ研究機材をトラックに積み込んでいた。
ビジターに発見され、ベンは自らおとりとなって駐車場の入口ランプを駆け下りるが、その背中をビジターのレーザー銃が撃ち抜く。
一度は逃げ切ったジュリーだったが、彼を救うためにVWビートルで集荷場に戻る。
倒れたベンを見つけ、抱え上げようとするが、自分も腰を撃たれてしまう。
それでもなんとかベンを車に乗せ、出荷場を去った。

2人はベンの弟で闇取引などを行っているギャング・メンバーのエライアスと合流する。
息を引き取る直前、ベンはエライアスにジュリーやレジスタンスの仲間と一緒に戦いを続けるよう告げる。 -

ベン・テイラー役のリチャード・ローソンは、前出の1982年のSFXホラー『ポルターガイスト』で、フリーリング家を襲う怪奇現象の調査を行う3人の超心理学者の1人、ライアンを好演していました。

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Martin Casella as Marty, Beatrice Straight as Dr. Lesh, and Richard Lawson as Ryan in POLTERGEIST (1982)

- アブラハムと友人のルビー・エンゲルスは、ビジターが人類の友人であることを訴えるプロパガンダ・ポスターに真っ赤なスプレーでいたずら書きする子どもたちに出会う。
アブラハムは彼らの行動を止め、ポスターに大きな「V」の文字を吹きつけさせると、それが「Victory=勝利」の略であることを教え、友達にも同じことをするよう伝えろと告げるのだった。

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Leonardo Cimino as Abraham Bernstein in V (1983)

戦いは続く… -

「エンド・クレジット」に流れるのはサントラの9曲目「”Go Tell Your Friends”」で、ベートーヴェンの「交響曲第5番」第4楽章をアレンジしたもの。

ジョンソンはNBCの当時の宣伝広報部長スティーブ・ソマーに「ナチの宣伝ポスターを見たことは?兵士が子供を肩車し友好を装うやつだ。そういうポスターを全国に貼り出そう。放送開始の3週間前から地下鉄や広告版に貼ろう」と提案しました。
放映2週間前には子どもたちにスプレー缶を持たせて街へ出し、スプレーでポスターに「V」と書かせます。
1週間前にはソマーのアイデアで「5月1日日曜日NBCで戦いが始まる(英語: THE BATTLE BEGINS SUNDAY MAY 1 ON NBC)」という小見出しがつきました。

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The Ad Campaign of V (1983)
kennethjohnson.us

これが口コミで広まり、高視聴率につながったのです。

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V パートII - 抵抗(レジスタンス) -

- 過去 現在 未来の抵抗の戦士(レジスタンス)に敬意を持ってこの作品をささぐ
To the heroism of the Resistance Fighters --past, present, and future-- this work is respectfully dedicated

ビジターの追跡から逃れるため、報道カメラマンのマイク・ドノバンは元妻マージと息子ショーンの住むロサンゼルス郊外の町へと車を走らせる。

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Marc Singer as Mike Donovan in V (1983)

すべてがひっくり返された町を行くマイクの前に唯一の生存者であるショーンの親友ジョッシュ・ブルックスが現れ、何が起こったのかを話す。

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Marc Singer as Mike Donovan and Tommy Petersen as Josh Brooks in V (1983)

多くの住民が近隣の戒厳令に抗議し、近くに止められていたビジターのシャトルに爆弾を投げ込んで高官の1人を殺害したのだ。
そこへ武装したビジター軍が現れ、住民たちを囚人として連れ去った。
マージとショーン、ジョッシュの両親もその中に入っていた。
家に向かい、マイクはジョッシュに以前ショーンに渡した鍵の場所を尋ねる。
ジョッシュがそれを見つけ、マイクは恐怖に怯える彼を連れて家を出た。 -

マージとショーンの身に起こったことに葛藤しながらもジョッシュを慰めるこのシーンのマーク・シンガーの演技はほんとうにすばらしい。

- バーンステイン家の夕食の席で、1人息子のダニエルはロビン・マックスウェルに求婚するつもりであることを家族に伝える。
ロビンが受け入れなければビジターにマックスウェル一家の居場所をばらせばよいと傲慢な態度で話すダニエルに、祖父のアブラハムはダニエルが注いだグラスのシャンパンを浴びせる。 -

ダニエルを演じたデビッド・パッカーにはシャンパンをかけることは知らされておらず、彼のリアクションは本物。

- ロビンを無理やり連れて行こうとしたダニエルは父親のスタンリーに阻止され、マックスウェル一家の居場所をブライアンに密告する。 -

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David Packer as Daniel Bernstein in V (1983)

このシーンのリハーサルでは、デビッド・パッカーはレーザー銃の代わりにバナナを使っていました。

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David Packer as Daniel Bernstein at the rehearsal of V (1983)
kennethjohnson.us

- ビジターの一隊が連行のためにバーンステイン家に押しかけるが、そこにいたのはアブラハムだけだった。

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Leonardo Cimino as Abraham Bernstein in V (1983)

アブラハムとサンチョの助けを借り、人類学者ロバート・マックスウェルの一家はビジターの目の光るロサンゼルスからの脱出に成功する。
以前検問所にいた彼らに同情的な警官も手を差し伸べ、一家は検問も通り抜けることができた。

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Blair Tefkin as Robin Maxwell, Viveka Davis as Polly Maxwell, Marin May as Katie Maxwell, Michael Durrell as Robert Maxwell, Penelope Windust as Kathleen Maxwell, and Rafael Campos as Sancho Gomez in V (1983)

ビジターに殺された兄、ベン・テイラーの意思を引き継いだギャング・メンバーのエライアスは、ジュリーたちを隠れ家へと連れて行く。
そこはロサンゼルスの使われなくなった駅で、近くの通りからもうまく遮られている場所だった。
エライアスはジュリーのグループと同じようにビジターを嫌悪している地元のギャングにも手を回し、ジュリーたちが彼らの縄張りに滞在できるよう取り計らう。 -

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Michael Wright as Elias Taylor in V (1983)

レジスタンス本部の外観は、現在では「ロサンゼルス歴史文化記念物(英語: LOS ANGELES HISTORIC-CULTURAL MONUMENT)に指定されている「Belmont Tunnel / Tolca Substation and Yard」。
1925年12月1日から1955年6月19日まで、ロサンゼルス・ダウンタウンからウェストレイク地区間約1.5kmを走っていた「Pacific Electric Railway Company」の地下鉄の駅でした。
1950年代南カリフォルニア全土に巨大なフリーウェイ・システムが建造されて「マイカー文化」が浸透したために廃線に追い込まれてしまいましたが、自動車業界主導の圧力団体に爆破されたという噂も尽きません。
その後、新しいビルやホテル建造のためにトンネルの約半分が埋められました。

アーノルド・シュワルツェネッガー主演の1987年のディストピア・アクション『バトルランナー(原題: THE RUNNING MAN)』や、1990年のSFアクションシリーズ第2作『プレデター2(原題: PREDATOR 2)』にも登場します。

内部は古い銀行で撮影。

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- ダニエルはマックスウェル一家をかくまった自分の家族への恩赦を求めていたが、ビジターのヤング・リーダー、ブライアンにだまされ、両親と祖父は連行されてしまった。

マイクの母エレノア・デュプレスの密告により、マックスウェル一家を山間部にあるレジスタンスのキャンプに送った帰り道、サンチョも捕まってしまう。

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Neva Patterson as Eleanor Dupres in V (1983)

広い家の中で1人落ち込むダニエルのもとにブライアンが現れる。
彼はダニエルを自分の部隊の副隊長にすると伝え、さらにダニエルの忠誠心に対するビジターの次官ダイアナからの感謝の気持ちとして大きな指輪を渡す。

戻って来た両親はあからさまにダニエルを軽蔑する。
拷問によって2人は怪我を負っていた。

夜、マイクとサウンド・エンジニアの相棒トニー・ワー・チョン・レオネッティはビジターに使用されている化学工場に潜入する。
死角に身を潜めた2人はサンチョ、スタンレーとリン・バーンステインを含む囚人のグループがビジターのシャトルに乗せられるのを目撃する。
2人は発見され、トニーがビジターの1人に毒を吹きかけられて無力化され、マイクも胸を撃たれて気絶してしまう。 -

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Marc Singer as Mike Donovan in V (1983)

このシーンでは第二次大戦中に貨車で運ばれた捕虜たちを再現しています。
音楽は「讃美歌」で、ジョンソン自身が歌詞を書き、聖職者団体のジョン・タガートがそれをラテン語に翻訳しました。
意味は「子供たちを奪わないで どうか傷つけないで 苦しめないで」というもの。

本作のスタント・コーディネーターはデヴィッド・エリス。
本作のあとメジャー作品の第二班監督を経て、2003年のシリーズ第2作『デッドコースター(原題: FINAL DESTINATION 2)』や2004年のアクション・スリラー『セルラー(原題: CELLULAR)』などを監督しました。
監督としてもすばらしい「眼」を持たれていた方ですが、残念ながら2013年1月7日に急死されています。

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- ロバート、ロビンやアブラハムの友人ルビー・エルゲンスもジュリーたちのグループに合流する。

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Camila Ashland as Ruby Engels in V (1983)

マザー・シップでは、ダイアナが情報を得るためにマイクを拷問にかけようとする。

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Jane Badler as Diana in V (1983)

そこにスタンレーが連れてこられ、恐ろしい見た目の椅子に縛り付けられる。

彼女は高官のマーチンにマイクを殺させるつもりだったが、マーチンはマイクを「洗脳」するようダイアナを挑発する。

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Frank Ashmore as Martin in V (1983)

挑発に乗ったダイアナは、マイクを「保存室」へ連れて行かせる。 -

シャトルやマザー・シップ内のドアなど、美術監督のチャールズ・R・デイビスは一貫して爬虫類のイメージを取り入れ、作品全体に共通するトーンを作り上げています。

- 保存室に向かう途中、マーチンはマイクにマザー・シップから脱出させると告げる。
マーチンによれば、少数ではあるが、ビジターの中にはリーダーの計画に反対する者がいるのだという。
怒りに燃えるマイクは、ビジターの真の計画が何なのか、ショーンはどうなったのかを教えるようマーチンに迫る。
しかしマーチンがすべてを説明するだけの時間はなかった。

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Marc Singer as Mike Donovan and Frank Ashmore as Martin in V (1983)

その後マイクは美しいブロンドの髪を持つビジター、バーバラと出会う。
彼女は自分のユニフォームを脱いでマイクに渡し、ドッキング・ベイに行って次のシャトルで地上に戻るよう伝える。
バーバラはまた、自分がマイクに圧倒されたと見せかけるためにレーザー銃を使って彼女を撃つよう指示した。

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Jenny Neumann as Barbara in V (1983)

マイクはバーバラを撃ち、命に別条がないことを確認すると、地上に向かう次のシャトルに乗り込む。

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Marc Singer as Mike Donovan and Jenny Neumann as Barbara in V (1983)

隣り合わせになったビジター兵士に疑われ、シャトルの着陸と同時に命を狙われるが、走って来たトラックを奪って逃げ出すことができた。 -

マーチンやバーバラは、「良いナチス」と「悪いナチス」が存在したことを描きたかったために生まれたキャラクター。

- ビジターのユニフォームを着たままのマイクは、ギャングのコネを使ってレジスタンスのための食料や必需品を集めていたエライアスに捕まる。
レジスタンス本部に連れて行かれ、自分がビジターでもスパイでもないことを証明すると、知っていることを伝えた。
ビジターは凶悪なトカゲのような存在であり、人類を征服する隠された計画を持っていると。
ビジターの真の姿のスケッチが描かれ、ロバートはビジターが人間同様に支配欲の強い種だと理論づける。
彼らはまた、明るい光が武器になること、世界中で抵抗を続ける人間と接触する必要があることを話し合う。 -

ジュリーがリーダーシップに目覚めるとても重要なシーンで、フェイ・グラントの繊細な演技がすばらしいです。

- 娘のロビンを探しに外に出たロバートはビジター・キャプテンのジェイクに見つかり、ロビンがマザー・シップに捕らえられていると教えられる。
同情的な態度を見せるジェイクだったが、ロビンを救う見返りとしてレジスタンスのキャンプの所在地を明かすようロバートに迫る。

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Stack Pierce as Visitor Captain Jake and Michael Durrell as Robert Maxwell in V (1983)

逡巡するロバートに対しジェイクは、ロバートがキャンプに残してきた妻のキャシーと娘2人を救い出せるよう、キャンプへの攻撃を翌日の午後4時まで遅らせることを約束する。
ロバートは所在地を教えた。

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Michael Durrell as Robert Maxwell in V (1983)

マザー・シップに監禁されているロビンのもとにブライアンが現れ、彼女を誘惑する。
ダイアナの非人道的な実験の一環としてロビンを妊娠させるためである。

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Jane Badler as Diana, Blair Tefkin as Robin Maxwell, and Peter Nelson as Brian in V (1983)

ジュリーたちはロサンゼルスの武器庫襲撃、そして集めた科学機器や武器のすべてをキャンプから本部へ移動する計画を立てる。

翌日、ビジターの目的を探るためにマイクは再びマザー・シップに潜入。
1度は息子に与えた鍵を使って、新鮮な水で満たされた巨大タンクの並ぶ貯蔵庫を発見する。 -

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Marc Singer as Mike Donovan in V (1983)

貯蔵庫のシーンも既述の『バドワイザー』醸造所で撮影され、マシュー・ユリシーチとミッシェル・モーエンによるマット・ペインティングが使用されました。

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V (1983)

- レジスタンスが武装庫への襲撃を開始した。
盗んだ銃器と光を反射させるための鏡を使い、できるだけ多くの武器を盗むとバンへ積み込んだ。
しかし彼らは通常の弾丸がビジターの皮膚と防具を貫通しないことを発見する。
苦戦を強いられ、仲間の数名が命を落とすが、大量の武器の強奪に成功した。

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V (1983)

ロバートはキャンプにいるキャシーや娘たち、そして仲間を救うためにジープに飛び乗る。

マザー・シップのマイクはマーチンを見つけ、息子の居場所とビジターたちが地球にやって来た真の目的を尋ねる。
マーチンは化合物製造は偽装で、実際には自分たちの生存ために地球の豊富な水を奪いに来たことを告白する。
生命を維持するための核融合炉や原子爆弾に水が必要なのだと。
マイクは事情がわかれば人類は水を共有するだろうと話すが、ビジターの総督はすべてを欲しがっているのだとマーチンは反論する。
だがビジターが地球の水をすべて奪うには一世代かかる。
それが果たされれば場合地球は住める環境ではなくなるが、それ以前に人間はビジターによって滅ぼされてしまうだろう。

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Marc Singer as Mike Donovan and Frank Ashmore as Martin in V (1983)

マーチンは、ダイアナが開発したプロセスによって仮死状態にされた数千人の人間が収容されている巨大な空間へマイクを連れて行く。
生きた食料源を好むビジターは、人間を仮死状態で保存していた。
マーチンによれば、中にはビジターが以前の戦争で負けた別の異星人との闘いのための部隊として訓練される人間もいるという。 -

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Marc Singer as Mike Donovan and Frank Ashmore as Martin in V (1983)

音楽のジョー・ハーネルは、ビジターの目的は水なので、映像に水を何度も出すべきだとジョンソンに提案しました。
モチーフとして本作には水がさまざまな形で登場しています。

- マイクはなぜそのような者が総督になれたのかを尋ねる。
総督にはカリスマと信望もあり、同様の独裁者が地球にも存在するとマーチンは話す。
彼は次にマイクを別の保存室へ連れて行き、トニーがどうなったのかを見せる。
ダイアナの調査手術によって、トニーは殺されていた。
マイクは復讐を誓う。
2人はそこで、尋問用の椅子に縛り付けられていたサンチョを発見する。

マイクはサンチョをドッキング・ベイに連れて行き、マーチンがロビンを連れてくる。
マイクは2人を乗せたシャトルをスタートさせ、マザー・シップを飛び出した。

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V (1983)

以前マイクを疑ったビジター兵士の操るシャトルと、さらにもう1機が彼らを追う。

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Rafael Campos as Sancho Gomez in V (1983)

マイクが敵の攻撃をかわす中、サンチョは後部に取り付けられたキャノンで後続の敵シャトル1機を撃墜する。

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V (1983)

マイクは眼下を走るトラックの前方にあるトンネルへと機を進め、すぐ後ろを追っていたビジター兵士のシャトルは山に激突する。 -

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V (1983)

視線を泳がせていまいち何をやっているのかわかっていないようなマイクと、ドッグファイトの最中、シャトルが宙返りしている時の物理学を覆すロビンの髪の毛はご愛敬…。

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Blair Tefkin as Robin Maxwell and Marc Singer as Mike Donovan in V (1983)

- レジスタンスのキャンプについて聞いていたダイアナも、シャトルの小隊を率いてキャンプを襲う。

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V (1983)

だまされていたことを悟ったロバートが到着するころにはキャンプは猛攻撃を受けていた。 -

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Stack Pierce as Visitor Captain Jake in V (1983)

ロバートが猛スピードで走らせるジープを追い越して飛び去る5機のシャトルのショットは本作でもっとも高価なVFXで、75,000ドルかかっています。

- 仲間とともにキャンプに着いたジュリーは、仲間を助けながらダイアナの乗るシャトルに拳銃を向ける。 -

ビジターの攻撃によって倒れてゆく仲間たちを映すシーンでは再び「讃美歌」が使われています。

シャトルに向けて銃を向けるジュリーと、オープニングでエルサルバドルのリーダーが政府軍のヘリに向かって銃を構えていたシーンが重なります。

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Faye Grant as Juliet Parrish in V (1983)

- マイクたちのシャトルがジェイクの操縦するダイアナのシャトルを攻撃し、爆発によって顔の偽装が解かれたダイアナは攻撃の中止を命じる。

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Jane Badler as Diana in V (1983)

レジスタンスのメンバー数名が倒れ、ケガを負ったロバートの妻キャシーも息を引き取るが、2人の娘は無事だった。

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Michael Durrell as Robert Maxwell in V (1983)

シャトルを降りたロビンも母親の死を知って取り乱すが、母親代わりとなって2人の妹を抱きしめる。
マイクもジュリーやレジスタンスの仲間たちと再会する。

レジスタンス本部に戻ったロビンは自分の妊娠を悟る。

バーンステイン家にロバートが現れ、スタンレーとリンをレジスタンスに誘う。
猛反対するリンに、スタンレーは父親アブラハムがビジターに連れ去られる前に残した手紙を見せる。
手紙で彼は、バーンステインの者は希望を持って戦うべきであると告げていた。

ジュリーとエライアスはとある天文台にいた。
ジュリーと彼女の天文学者の友人は、ビジターと敵対する存在と同盟を結ぶことに望みをかけ、宇宙に向けて救難信号を送る。
エライアスはこの計画に感動するが、ジュリーは同盟者にメッセージが届くのにどれだけの時間がかかるか分からないと話す。
返信が来るとしても数年先になるのか、味方かどうかさえも分からない。
その間、レジスタンスは組織を作り、ビジターと戦い続けなければならないのだ。
去り際、エライアスはスプレーを使ってドアに大きく「V」を描く。 -

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Faye Grant as Juliet Parrish and Michael Wright as Elias Taylor in V (1983)

「エンド・クレジット」ではベートーヴェンの「交響曲第5番」と「交響曲第7番」を合わせたサントラの15曲目「Finale / Gloria Victoria」が流れます。
歌詞はジョンソンによるオリジナルのもので、「大義に栄光あれ 戦死者に栄光あれ 自由のために戦う戦士に 勝利に栄光あれ」と謳われています。
いやー、本当に感動…。

最後まですばらしい楽曲を提供したジョー・ハーネルは、本作で見事「第35回プライムタイム・エミー賞(英語: 35TH ANNUAL PRIMETIME EMMY AWARDS)」の「作曲賞リミテッド・シリーズ/スペシャル部門(英語: OUTSTANDING ACHIEVEMENT IN MUSIC COMPOSITION FOR A LIMITED SERIES OR A SPECIAL (DRAMATIC UNDERSCORE))」にノミネートされました。

先に述べた本作のサントラ『ORIGINAL SOUNDTRACK RECORDING V』は1998年にアメリカのレーベル「SUPER TRACKS MUSIC GROUP」からCDリリースされた際のタイトルで、2008年にはハーネル自身のレーベル「FIVE JAYS RECORDS」から『"V": THE ORIGINAL MINI-SERIES (ORIGINAL TELEVISION SCORE)』のタイトルで再リリースされています。

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どちらも内容は同じで『V: THE ORIGINAL MINISEIRES』の楽曲が収録されています。
『iTunes』などのコンテンツ配信サービスからも手に入りますので、興味のある方はぜひ!

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編集を終えたジョンソンは完璧でどこもカットすることができず、本来4時間の作品になるはずが4時間15分になってしまうことを当時NBCの「エンターテイメント部門」のトップで番組編成を牛耳っていたブランドン・タルティコフに相談しました。
試写を観たタルティコフはジョンソンに同意し、局に放映時間の延長を申請します。
その結果、『V: THE ORIGINAL MINISEIRES』の「Part 1」は1983年5月1日日曜日、21:00-23:15の枠で放映されました。

翌年の1984年にヨーロッパで放映された際には、あの「1984 ロサンゼルス・オリンピック(英語: LOS ANGELES 1984 SUMMER OLYMPICS)」よりも高い視聴率を記録。

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当時人種隔離政策「アパルトヘイト」下にあった南アフリカでは、放映の翌日、人種を超えて協力するキャラクターたちに共感した国民が赤いスプレーであちこちに「V」を描きました。
これは後日談としてジョンソンが一番気に入っているもの。

ジョンソンたちの当初からの計画どおり、本作はシリーズ化されることになりました。
毎週1時間の番組では費用が高すぎるので、ジョンソンは6~8週間おきの「テレビ映画」として制作することをタルティコフに提案します。
「テレビ映画シリーズ」というのは当時まだ前例がありませんでしたが、タルティコフは6時間の続編を発注します。
ジョンソンは脚本の監修に回ることになりましたが、「ワーナー・ブラザーズ」の提示した予算枠での制作はかなり厳しく、本作と同じ品質を保てるのかと不安を抱きはじめました。
結局自信を持つことができず、ジョンソンは計画をあきらめます。

ジョンソンは計画から手を引いたことを今でも残念に思っているそうです。
しかしタルティコフには後日「テレビ映画のシリーズにするべきだった」と言われたのだとか…。

そんなことがあってジョンソンは翌年の完結編ミニシリーズ『V: THE FINAL BATTLE』の制作にはほとんどタッチしておらず、「共同原作者」のクレジットにもペンネーム「Lillian Weezler」を使っています。

このあたりについてはのちほどさらにくわしく…。

制作会社も「ブラット-シンガー・プロダクションズ(英語: BLATT-SINGER PRODUCTIONS)」へと移り、続くドラマ『V2/ビジターの逆襲』も彼らが手がけました。

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日本テレビ系列『金曜ロードショー』で1989年1月13日に『V パート3 スニーク・イン 決死の潜入』が初放映された際、本編終了後に解説の水野春朗さんがこのことを話されていたのを覚えています。

ジョンソンから監督を引き継いだのは、作家マイケル・クライトンがメガホンを取った1973年のSF・ウェスタン・スリラー『ウェストワールド(原題: WESTWORLD)』の1976年の続編『未来世界(原題: FUTUREWORLD)』や1982年のネオ・ノワール『探偵マイク・ハマー/俺が掟だ!(原題: I, THE JURY)』をはじめ、数々のテレビ映画やドラマを手掛けてきたベテラン、リチャード・T・へフロン。

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ところが『V: THE FINAL BATTLE』についていくらリサーチしてみても、海外のサイトもふくめて「メイキング」に関する情報はほとんどなく、どうも全体的に『V: THE ORIGINAL MINISERIES』の扱いとはずいぶんと違う印象なのです。
まあDVDリリース時からうすうす感じていたことではあるのですが…。

そんなわけで以下、『V: THE FINAL BATTLE』については日本版レーザーディスクの解説をベースに構成しています。

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V パートIII - 潜入(スニーク・イン) -

- 人類の英知の終結は恐るべき罠(トラップ)に打ち勝つことができるのか!?

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Marc Singer as Mike Donovan and Eric Johnston as Sean Donovan in V: THE FINAL BATTLE (1984)

ジュリーとマイク率いるレジスタンスの戦いは続いていた。次のターゲットはビジターが捕らえた人間を食料用に保存する加工工場である。しかし、夜のやみに紛れての奇襲攻撃もむなしく、パワーアップされたビジターの戦闘要員たちの強化服の前には、通常の小火器では全く歯が立たず、撤退を余儀なくされてしまう。

ロビンは、ダイアナの「実験」によって、ブライアンの子供を宿していた。異星人の子を身ごもったロビンの肉体には、様々に不気味な変化が生じて来ている……。

ビジターによる侵略と支配は、レジスタンスの活動をよそに、順調に進められていた。既にほぼ世界中の首脳たちが洗脳され、司令官ジョンとダイアナの支配下に置かれてしまっていた。

ビジターは、実に大掛かりなデモンストレーションを画策した。ロス医療センターを会場とした、がんワクチンの発表会である。

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Peter Nelson as Brian, Andrew Prine as Steven, and Jane Badler as Diana in V: THE FINAL BATTLE (1984)

警備本部にスパイとして潜入しているルビーの情報を基に、レジスタンスたちは、発表会の攻撃計画を練る。世界中の同志に対するアピールのためには、何としても成功しなければならなかった。

厳重なチェックを潜り抜けて会場に潜入するためには、特殊な通行証が必要であった。マイクは早速カード偽造屋を手配し、自らは、ビジターのシンパとして信頼を得ている母エレノアの棲家に忍び込み、カードを盗み出し、偽造に成功する。

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Peter Nelson as Brian and Jane Badler as Diana in V: THE FINAL BATTLE (1984)

ハーミーとの密会中のウィリアムが、レジスタンスに捕らえられてしまった。ウィリアムの正体を知ったハーミーはショックを受けるが、心優しい彼への気持ちは変わらなかった。

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Robert Englund as Willie in V: THE FINAL BATTLE (1984)

実験台になっているウィリアムの緑色の皮膚を見て、取り乱したのはロビンだった。彼女は自分が宿しているものへのおぞましさと恐れから、ジュリーに中絶を願い出る。

神父の反対を押し切って中絶手術が開始されたが、胎児の触毛が子宮からほかの内臓にまで張り巡らされており、手術は不可能であった。

そして、発表会の日が来た。ビジターの最高司令官ジョンが演壇に立ち、ワクチンの開発に成功したことを告げる。そしてその時すでに、ジュリー、ロバート、ルビー、神父、サンチョ、エライアスらのレジスタンス戦士たちは、会場への潜入に成功していた……。

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Richard Herd as John in V: THE FINAL BATTLE (1984)

第3巻は、始まりと終わりにスーパー・アクション場面が用意され、レジスタンスの地下活動や、ロビンの妊娠というショッキングな内容をサンドイッチにしている。ケネス・ジョンソンからバトンタッチした、リチャード・T・へフロン監督の歯切れの良い演出と、アクション満載の戦闘シーンは、見ていて盛り上がってしまうこと請け合いである。 (文・鍵谷 透) -

すでに「オープニング・クレジット」の「Main Theme」からして『V: THE ORIGINAL SERIES』とは違うものになっていますが、「なんか変わった?」とは思っても違和感を感じることなくすんなり受け入れることができます。
ジョー・ハーネルに代わって『V: THE FINAL BATTLE』の「Part 1」の音楽を手掛けたのは、ジョセフ・コンランとバリー・デ・ヴォーゾンの2人。
不安感を静かにあおってくるシンセサイザーを駆使したメロディラインや低く機械的なパーカッションなど、ブラッド・フィーデルによる1984年のシリーズ第1作『ターミネーター(原題: THE TERMINATOR)』の「ターミネーターのテーマ(原題: Theme from "The Terminator")」にも通じるものがあります。
すぐに覚えられちゃうので、「『V』と言えばこの曲」という方も多いのではないでしょうか?
しかし残念ながら「Part 1」の楽曲はどれもサントラ化されていません…。

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撮影監督もジョン・マクファーソンからスチーブン・ラーナーへ代わり、とくに室内シーンの照明の使い方に違いを見ることができます。

マザー・シップのブリッジやビジターのユニフォームなど、新しいビジュアルも増えました。
チャールズ・R・デイビスから美術監督のバトンを受け取ったモ―ト・ラビノウィッツは、世界観を壊すことなく押し広げています。
ちょっと「派手」になった感じ。

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V: THE FINAL BATTLE (1984)

『V: THE FINAL BATTLE』の「Part 1」にゲスト出演しているカード偽造屋ダン・パスカル役のディック・ミラーとロス医療センターの医師フレッド・キング役のマーク・L・テイラー。

ディック・ミラーはジョー・ダンテ監督作品の常連俳優で、1984年のシリーズ第1作『グレムリン(原題: GREMLINS)』とその1990年の続編『グレムリン2 新・種・誕・生(原題: GREMLINS 2: THE NEW BATCH)』で大活躍するマレー・フッターマンは当たり役。

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Jason Bernard as Caleb Taylor, Dick Miller as Dan Pascal, and Faye Grant as Juliet Parrish in V: THE FINAL BATTLE (1984)

マーク・L・テイラーも、1989年の『アラクノフォビア(原題: ARACHNOPHOBIA)』や1990年のシリーズ第1作『ミクロキッズ(原題: HONEY, I SHRUNK THE KIDS)』などで派手ではないのに強い印象を残す名バイプレイヤーです。

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Mark Taylor as Dr. Fred King and Faye Grant as Juliet Parrish in V: THE FINAL BATTLE (1984)

この2人はジョー・ダンテ監督の1987年の『インナースペース(原題: INNERSPACE)』でも共演しています。
ディック・ミラーは冒頭に登場するタクシー運転手、マーク・L・テイラーはクライマックスに登場するナイルズ博士を演じています。

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主要なクルーが一新されたことも大きいけれど、『V: THE FINAL BATTLE』はレジスタンスによるビジターへの反撃がストーリーのメインなので、決してダメというわけではなく、『V: THE ORIGINAL SERIES』にあった「社会的/政治的メッセージ」は影を潜め、大掛かりなアクション満載となっています。
オープニングからレーザー光線が飛び交い、ケネス・ジョンソン監督が「1発につき1,000ドルかかった…」と話していたことが思い出されます。

V パートIV - 脱出(エスケープ) -

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- 地球人と異星人(ビジター)の子供が誕生した - それは悪魔の使いか急性異種か!?

レジスタンスのキャンプに突如押し掛けて来た2人組がいた。彼らはプロの戦争屋・ハムと、相棒の爆弾専門家、クリスであった。マイクは過去何度も、戦場でこの秘密工作員と出会って来ていた。

ハムはマイクに、自分たちの世界的なネットワークに加わよう、強く呼び掛ける。素人集団が今までやって来れたのは、運が良かっただけなのだ、と。

レジスタンスたちは、この危険な戦争屋に恐怖を感じ、訴えを蹴るが、その時ルビーからの緊急連絡が入った。ビジターたちが、レジスタンスのキャンプを突き止めて、今しも襲撃に向かったと言う。

マイクらレジスタンスはすぐに脱出。ハムとクリスは残ってビジターを待ち受け、見事に手慣れた作戦で、戦闘員たちをほぼ全滅させる。

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Jason Bernard as Caleb Taylor, Mickey Jones as Chris Farber, and Michael Ironside as Ham Tyler in V THE FINAL BATTLE (1984)

一方、ダイアナに捕らえられたジュリーは、洗脳オペレーションを受けていた。生命力の限界まで抵抗を続けるジュリーだったが、ダイアナの残忍な責めの前に、もはや洗脳されるのは時間の問題であった。

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Faye Grant as Juliet Parrish in V: THE FINAL BATTLE (1984)

マイクは、ジュリーを救う作戦を計画し、マーチンに協力を依頼する。

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V: THE FINAL BATTLE (1984)

洗脳室が襲われた。安全管理上、ジュリーは地上の警備本部に移送される事になる。そして本部の周囲には、新たにハムとクリスが加わったレジスタンスの戦士たちが待ち構えていた。奇襲は成功し、ジュリーは無事に奪い返されたが、本部内で大活躍した老女ルビーは、親衛隊のダニエルに殺されてしまった。

ジュリーの持ち帰った情報から、ビジターの次の計画が明らかになった。新たな艦隊長パメラのてこ入れで、水の採集に拍車が掛けられることとなり、カリフォルニアの水源はあと30日で干上がってしまうという。

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V: THE FINAL BATTLE (1984)

レジスタンスたちは、クリスの作った新型高性能爆弾を携え、貯水場を破壊する作戦を決行する。戦いの日々の中、女戦士マギーと愛し合うようになっていた元警官のブレッドは、この戦闘で、仲間を援護して壮絶な最期を遂げる。

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V: THE FINAL BATTLE (1984)

ダイアナはマイクを捕らえようと、息子ショーンをそ生させる。人質交換が行われ、マイクは母船に連行された。

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Faye Grant as Juliet Parirsh, Marc Singer as Mike Donovan, and Michael Ironside as Ham Tyler in V: THE FINAL BATTLE (1984)

強力な自白剤の責めによって、マイクはビジター側の協力者がマーチンであると明かしてしまう。マーチンはすぐにマイクを連れ出し、広大な母船の換気口を使って脱出を図る。

一方、ロビンに出産が迫っていた。ジュリーは帝王切開を施して赤ん坊を取り上げるのだが……。

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Faye Grant as Juliet Parrish in V: THE FINAL BATTLE (1984)

第4巻のハイライトは、貯水場の破壊場面。タイムリミットが設定され、スリルも満点。

そしてラストで姿を現す赤ん坊は、いったいどんな姿をしているのだろうか? (文・鍵谷 透) -

『V: THE FINAL BATTLE』から登場する新キャラクターの中でももっとも輝いているのが、この「Part 2」のオープニングからいきなりすごい存在感なのになぜか違和感のないハム・タイラー。
演じたマイケル・アイアンサイドはカナダ・オンタリオ州トロント出身の俳優・声優・プロデューサー・監督・脚本家。

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Mickey Jones as Chris Farber, Michael Wright as Elias Taylor, Michael Ironside as Ham Tyler, Faye Grant as Juliet Parrish, Blair Tefkin as Robin Maxwell, and Marc Singer as Mike Donovan in V: THE FINAL BATTLE (1984)

1981年のデヴィッド・クローネンバーグ監督の出世作『スキャナーズ(原題: SCANNERS)』での悪役ダリル・レボックを経て本作でブレイクしたあとは、1986年の『トップ・ガン(原題: TOP GUN)』のトム・クルーズ演じるピート・"マーヴェリック"・ミッチェルの教官リック・"ジェスター"・ヘザーリー、1990年の『トータル・リコール(原題: TOTAL RECALL)』でアーノルド・シュワルツェネッガー演じるダグラス・クエイドを執拗に追うリクター、1991年のシリーズ第2作『ハイランダー2/甦る戦士(原題: HIGHLANDER II: THE QUICKENING)』のカターナ将軍や1997年の『スターシップ・トゥルーパーズ(原題: STARSHIP TROOPERS)』で主人公たちを導く教官ジーン・ラズチャックなど、どうしても憎めない悪役やタフなヒーローを数多く演じています。

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『トータル・リコール』や『スターシップ・トゥルーパーズ』で組んだポール・バーホーベン監督が1987年のシリーズ第1作『ロボコップ(原題: ROBOCOP)』の主人公アレックス・マーフィ役に最初に選んだのもアイアンサイドでした。
しかしすでに完成していたロボコップのスーツに体格がフィットしなかったため、代わりにピーター・ウェラーが起用されました。

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Michael Ironside as Richter in TOTAL RECALL (1990)

本作では「Part 2」と「Part 3」にしか登場しませんが、彼のシーンはどれも最高!

『V: THE ORIGINAL SERIES』からの使い回しが多い中で、さらなるマザー・シップが地球に到着する新しいVFXシーンとともに登場するビジターの艦隊長パメラにはサラ・ダグラス。

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Sarah Douglas as Pamela in V: THE FINAL BATTLE (1984)

1978年のシリーズ第1作『スーパーマン(原題: SUPERMAN)』と1980年の続編『スーパーマンII/冒険篇(原題: SUPERMAN II)』で演じたクリプトンの3悪人の1人アーサや、1984年のシリーズ第2作『キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2(原題: CONAN THE DESTROYER)』での悪役女王タラミスなどが有名。
アーサ、セクシーで好きだったなー…。

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マイケル・アイアンサイド同様2パートにしか登場していないにも関わらず、その存在感はやっぱりさすがです。
そして悪役なのにとても人間臭くてやっぱりどうしても憎めません。

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Sarah Douglas as Ursa in SUPERMAN II (1980)

レジスタンスが破壊作戦を決行する貯水場は、カリフォルニア州キャスティークにある「CASTAIC POWER PLANT」。

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V: THE FINAL BATTLE (1984)

上記のように『V: THE FINAL BATTLE』はタイトルどおりどのパートも大掛かりなアクション満載で、「Part 2」のこのシーンはロケーションもさることながらその中でも最大のスケール。

1961年の『ナバロンの要塞(原題: THE GUNS OF NAVARONE)』、1968年の『荒鷲の要塞(原題: WHERE EAGLES DARE)』や1978年の『ナバロンの嵐(原題: FORCE 10 FROM NAVARONE)』といったアリステア・マクリーン原作による戦争映画を思い起こさせるトラップやタイムリミットの設定など、構成もすばらしいです。

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「Part 2」のラストに産まれるロビンの双子の赤ちゃんは、前作のダイアナの「モルモット丸飲みシーン」に匹敵するトラウマ度の高さ…。
ビジターの姿の赤ちゃんもなかなかだけど、「Part 3」でエリザベスと呼ばれることになる人間の姿の赤ちゃん怖すぎ!

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V: THE FINAL BATTLE (1984)

ジョセフ・コンランとバリー・デ・ヴォーゾンによる「Main Theme」の流れる「オープニング・クレジット」を見てもわかるように、『V: THE FINAL BATTLE』の「Part 2」では2人は「追加音楽(英語: ADDITIONAL MUSIC BY)」としてクレジットされ、「音楽(英語: MUSIC BY」にはデニス・マッカーシーの名があります。
これはコンランとデ・ヴォーゾンのシンセサイザーによる楽曲に違和感を感じたプロデューサー陣が『V: THE FINAL BATTLE』の「Part 1』放映の6週間前にマッカーシーを雇ったためで、3人の楽曲が使用されている「Part 2」ではそれぞれのスタイルの違いを聴くことができます。

デニス・マッカーシーはアメリカで1987年から1994年にかけてシンジケーション放送されたシリーズ2番目のテレビシリーズ『新スタートレック(原題: STAR TREK: THE NEXT GENERATION)』以降のシリーズ常連で、同ドラマで18の「ASCAP FILM AND TELEVISION MUSIC AWARDS」を受賞。
1993年から1999年に放送されたシリーズ3番目のテレビシリーズ『スタートレック/ディープ・スペース・ナイン(原題: STAR TREK: DEEP SPACE NINE)』の「Main Theme from "Star Trek: Deep Space Nine"」では、1993年の「第45回プライムタイム・エミー賞(英語: 45TH ANNUAL PRIME TIME EMMY AWARDS」の「作曲賞主題歌部門(英語: OUTSTANDING INDIVIDUAL ACHIEVEMENT IN MAIN TITLE THEME」を受賞しています。

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1994年の『新スタートレック』劇場版第1作『スタートレック ジェネレーションズ(原題: STAR TREK: GENERATIONS)』も担当。
同年にアメリカのレーベル「GNP CRESCENDO RECORDS」からリリースされた『STAR TREK GENERATIONS - ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK』の1曲目「STAR TREK GENERATIONS Overture」と『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』の「Main Theme from "Star Trek: Deep Space Nine"」は、どちらも管楽器による主題が美しく、とくに後者は「深宇宙の孤独」を感じさせるすばらしいもの。

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V パートV - 決戦(ファイナル・バトル) -

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- 歴史をかけた、想像を絶する戦いが今、始まる

ロビンが産んだ双子のうち、女の子の姿をした方はエリザベスと名付けられ、元気だったが、ビジターの姿をしたもう一人は衰弱が激しく、ハーミーの介助も空しく短い生命を閉じる。ジュリーは早速死因を調べるが、そこで新種のバクテリアを発見する。それは地球のバクテリアと、シリウスのバクテリアとの混合物であった。一筋の希望が生まれた。このバクテリアこそ、対ビジターの決定的な武器となるのではないか。

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V: THE FINAL BATTLE (1984)

実験のためにハムたちは、ルビーを殺したダニエルと一緒の、ブライアンを誘拐し、ダニエルを犯人に仕立てて密告し、復しゅうを遂げる。

ロビンは、自分に対してこれほどの苦しみを与えたブライアンを憎んでいた。脱皮を繰り返して驚異的なスピードで成長したエリザベスの手を引いて、ブラインを閉じ込めたケースの前に立つと、持ち出したバクテリアのカプセルを投げ入れた。
ほとんど瞬時にして、実験と復しゅうは終わった。ブライアンはもがきながら死んだ。

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Faye Grant as Juliet Parrish, Peter Nelson as Brian, Blair Tefkin as Robin Maxwell, and Michael Durrell as Robert Maxwell in V: THE FINAL BATTLE (1984)

続いてジュリーが、止める間もなくケースの中に入り込んだ。影響はない。バクテリアは地球人に対しては全く無害なのであった。

ビジターとの友好を望んでいたアンドリュー神父は、エリザベスを連れ出して、ダイアナを訪ねた。2つの星の間に生まれたエリザベスを、有効と平和のあかしとして認めさせようという考えであった。ダイアナは自分の実験の成果に満足し、エリザベスを手元に置いて「教育」を始めるが、神の教えを説く神父は殺してしまった。ダイアナは、パメラとの主導権争いで焦りを感じており、自らの心の弱さを認めさせる一切の存在は許せなかったのだ。

マイク、ジュリーを始めとするレジスタンスたちは、今や決断を迫られていた。ビジターを倒す毒素は完成、マーチンやウィリアムら味方のビジターを守る抗毒剤もできた。ところがマーチンからの情報によると、ビジターの母船には、侵略が失敗したときの臨時兵器として、協力な核爆弾が備えられているというのだ。攻撃賛成派と慎重派の議論が続く中、元こそ泥のエライアスは言う。
「このままじゃいずれにしても人類は滅びる。だが、戦えば勝てるかもしれない。そして、それがやれるのは俺たちだけだ」。

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Michael Durrell as Robert Maxwell, Marc Singer as Mike Donovan, Bob Harks as Freedom Fighter, Faye Grant as Juliet Parrish, Rafael Campos as Sancho Gomez, Denise Galik as Maggie Blodgett, Diane Cary as Harmony Moore, and Blair Tefkin as Robin Maxwell in V The Final Battle (1984)

攻撃の決断が下され、いよいよ決戦の時がやって来た。マイク、ジュリー、ハムに率いられ、こそ泥、工員、未亡人、学者、庭師 - 平和な時にはごく普通の市民だった人々が、今、レジスタンスの戦士として、全人類の運命を背負って立ち上がったのだ。

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Jenny Beck as Elizabeth Maxwell in V The Final Battle (1984)

人類の歴史をかけた戦いが、いま、始まろうとしていた……。 (文・鍵谷 透) -

「高度な科学力を持つ異星人が『バクテリア』によってあっけなく絶滅してしまう」という展開は、地球に古代から存在していた病原菌が地球侵略を進める火星人を倒すイギリスの作家H・G・ウェルズによる1898年のSF小説『宇宙戦争』へのオマージュとも取れます。

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ちょっと変化球ではありますが、はじめて観た時真っ先に本作が頭に浮かんだ1996年のシリーズ第1作『インデペンデンス・デイ(原題: INDEPENDENCE DAY)』では、コンピューターウイルスが地球侵略にやって来た異星人を倒すきっかけを作っていました。

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INDEPENDENCE DAY (1996)

これまでさんざんイライラさせられてきたダニエル、ブライアン、エレノアやスチーブンは、申し訳ないけれど観ていてスカッとする哀れな最期を迎えます。

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Andrew Prine as Steven in V: THE FINAL BATTLE (1984)

最終決戦の時が訪れ、バクテリアを積んだ無数の気球が大空へ舞い上がる感動的なシーンは、ニューメキシコ州アルバカーキで行われた「ALBUQUERQUE INTERNATIONAL BALLOON FIESTA」で撮影されました。
バクテリア、ビジターのレーザー銃やシャトルはともかくとして、レジスタンスが「実在するもの」で戦いを挑んでいるのが本当にすばらしい!
気球なんてもう最高!

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V: THE FINAL BATTLE (1984)

ビジターに死をもたらすバクテリアを「赤い粉」で表現しているのもこれまでキャラクターたちが「V」を赤いスプレーで描いてきたことに通じるものがあるし、ビジュアル的にもよかったなー。

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V: THE FINAL BATTLE (1984)

「赤い粉」をまき散らすバルーンを見上げる群衆の中に前作以降登場していなかったスタンレー・バーンステインがひょっこり登場しています…が、彼が腕を回している女性は…だれー?

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George Morfogen as Stanley Bernstein in V: THE FINAL BATTLE (1984)

ダイアナはシャトルに乗って1977年のシリーズ第1作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(原題: STAR WARS: EPISODE IV - A NEW HOPE)』のダース・ベイダーのように逃げてしまいましたが、地球には再び平和が訪れました…。
少なくとも同じ年の秋に続編ドラマ『V2/ビジターの逆襲』が放送されるまでは…。

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「Part 3」では「Main Theme」以外の楽曲はすべてデニス・マッカーシーのものが使用されました。
彼が本作に提供した楽曲には80年代を感じさせるものが多く、1998年に「SUPER TRACKS MUSIC GROUP」からリリースされた本作のサントラ『ORIGINAL SOUNDTRACK RECORDING V: THE FINAL BATTLE』の7曲目「Maggie Mourns / Maggie And Brad」や12曲目の「Love Theme」などは「80年代洋物ポルノ」みたい…。
彼が続投する『V2/ビジターの逆襲』の「"V" THE SERIES - Main Title」へつながる主題もちらほら登場します。

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2009年には「WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.」から『ORIGINAL MUSIC FROM THE MINI-SERIES V: THE FINAL BATTLE』のタイトルで再リリースされており、「ボーナス・トラック」として17曲目「SUITE FROM "V" THE FINAL BATTLE」が追加されています。
こちらも各種コンテンツ配信サービスから購入可能です。
前作のサントラよりもはるかに強い「タイムスリップ効果」があります!

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『V: THE FINAL BATTLE』放映後の1984年5月28日、アメリカの「PINNACLE BOOKS」から『V: THE ORIGINAL MINISERIES』と『V: THE FINAL BATTLE』の全5パートを1冊に収めたSF作家A・C・クリスピンによるノベライゼーション『V』が出版されました。
アメリカやイギリスでは、このノベライゼーションからはじまるオリジナル・シリーズが1984年から1988年にかけて全16作品出版されています。

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日本語版は1986年5月1日に「サンリオ」から「サンリオSF文庫」として『V(上下)』が出版されていたようですが、ぼくが読んだのは1987年10月1日に「偕成社」から「スーパーブックス」として出版された単行本『V〈上〉異星からの侵入者』と『V〈下〉最後の戦い』でした。
それぞれ訳者も違うようだし、もう一度読んでみたい…。

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『V』にはコミック版も!
アメリカでは「DCコミックス(英語: DC COMICS, INC.)」が『V2/ビジターの逆襲』のストーリーに合わせた全18巻を1985年2月から1986年7月にかけて出版。

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そしてなんと日本オリジナル版も!
「勁文社」から1989年2月10日に監修・永井豪、画・安田タツ夫による『V(上巻) 悪魔の来訪者~Visitor~』と『V(下巻) 勝利~Victory~への道』が出版されていました
ぜんっぜん知らなかった…。

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1986年にはビデオゲーム開発や出版を手掛け、ヨーロッパ最大のシェアを誇っていたイギリスの「OCEAN SOFTWARE LIMITED」からテレビゲームも発売されています。
プレイヤーはマイク・ドノバンとなってマザー・シップに潜入し、マザー・シップの破壊と脱出をめざすというアクション・ゲームでした。

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2008年2月5日、アメリカの「TOR BOOKS」からケネス・ジョンソン自身の手による『V: THE SECOND GENERATION』が出版されました。
これは『V: THE FINAL BATTLE』や彼がいっさい関わらなかった『V2/ビジターの逆襲』とはまったく別の、『V: THE ORIGINAL MINISERIES』の直接の続編。

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英語版「ウィキペディア」によるあらすじは以下のとおり。

- 物語の舞台は『V: THE ORIGINAL MINISERIES』から20年後の世界。『THE SECOND GENERATION』はビジターによる支配が続く地球で勝ち目のない戦いを続けるレジスタンスを描いている。彼らはビジターが人類滅亡を企む邪悪な異星人であることを大衆に暴くべく活動を続けていたが、すでにビジターは地球に多くの技術的および社会的進歩をもたらすことで大多数の支持を得ており、彼らの声が届くことはなかった。ビジターは汚染物質の浄化を装い、地球上の水の半分を採集していた。また、多くの人々がレジスタンス撲滅を目的としたビジターの民兵組織「チームメイト(英語: THE TEAMMATE)」(『V: THE ORIGINAL MINISERIES』における『ビジター・フレンズ』が進化したもの)に参加していた。

すべてが絶望的であると思われた時、レジスタンスのリーダー、ジュリエット・パリッシュが『V: THE ORIGINAL MINISERIES』の最後に宇宙へ送ったメッセージがようやく聞き入れられた。ビジターの長年の敵である異星人種「ゼッティ(英語: ZEDTI)」が危機に陥っていたレジスタンスに加勢し、戦局はレジスタンスにとって有利なものとなってゆく。だが何事も見かけどおりとは限らない、レジスタンスは徐々に、新しい味方の真の目的に疑問を持ちはじめる。

Set 20 years after the original miniseries, The Second Generation depicts an Earth still under Visitor domination with the Resistance fighting a losing battle. They desperately try to persuade the masses that the Visitors are evil aliens bent on mankind's destruction. However, they are largely ignored, as the many technological and social advancements brought by the Visitors to the planet have convinced the majority that the aliens have their best interests in mind. They are halfway to taking all of the planet's water, under the guise of cleansing it of all polluting substances. Many people were also convinced to join the Visitors' civilian militia, the Teammates (an evolution of the miniseries' Visitor Youth), for the purposes of hunting resistance members.

Just when all seems hopeless, the message that Resistance leader Juliet Parrish sent into space at the end of the original miniseries is finally heard. An alien race called the Zedti, who are long-standing enemies of the Visitors, reinforces the Resistance in their time of need and soon the war is turned in their favor. However, all is not as it seems, as the Zedti's actions make the Resistance wonder about their newfound allies' actual motives. -

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ビジターの長年の敵である異星人種『ゼッティ』」なんて、2016年のシリーズ第2作『インデペンデンス・デイ: リサージェンス(原題: INDEPENDENCE DAY: RESURGENCE)』と似てる気がして若干心配な部分もあるけれど、マイクやジュリーも登場するそうなのでぜひ読んでみたい!
日本の出版社さんよろしくお願いします!
ぼく翻訳します!

ペンシルバニア州ピッツバーグの新聞『Pittsburgh Post-Gazette』のウェブサイトにポストされた2008年2月3日の記事「Tuned In Journal: "V" creator speaks」には、記者Rob Owenによるジョンソンへのインタビューが紹介されています。
以下はジョンソンが『V: THE FINAL BATTLE』制作をあきらめた理由や、続編について答えている部分をメインに抜粋したものです。

- ケネス・ジョンソンが2003年から制作準備を進めていたNBCの『V: THE SECOND GENERATION』は2004年に中止が決定。ジョンソンと『ワーナー・ブラザーズ・テレビジョン』は復活を賭けてその後も他のネットワークへの売り込みを続けていますが、その間にジョンソンは脚本を小説に書き換えました。(ハードカバー $24.95; ペーパーバック $14.95、TOR BOOKS)以下はジョンソンと交わした『V』シリーズについての会話からの抜粋です。

Johnson developed "V: The Second Generation" for NBC in 2003 but by 2004 the project was dead at the network. Johnson and Warner Bros. continue to shop the revival to other networks, and in the meantime, Johnson turned his script into a novel ($24.95 hardcover; $14.95 paperback, Tor Books), due in stores Tuesday. Here are excerpts from my conversation with Johnson about the "V" saga:

質問: なぜネットワークはミニシリーズを作らなくなってしまったのでしょうか?

ケネス・ジョンソン: 完璧な例があるよ。1983年に『V』をやった時、(当時NBCのプログラミング・エグゼクティブだった)ブランドン・タルティコフとぼくは(『V: THE ORIGINAL MINISERIES』を)連続ドラマの「パイロット版」として考えていたんだ。ところがいざ4時間のミニシリーズを作ってみると、1話1時間の連続ドラマにするには製作費がかかりすぎることがわかった。そこでぼくらは1話1時間の連続ドラマを制作する代わりに6時間の続編ミニシリーズをやろうとを思いついたんだ。でも『ワーナー(・ブラザーズ・テレビジョン)』が反対した。彼らにとってはプラス要素がなかったからね。連続ドラマの場合、ヒットすればスタジオは儲かるけれど、1度かぎりの6時間ものとなるとそうはいかないんだ。だがブランドンが言った、もし『ワーナー』が6時間の続編ミニシリーズをやるなら、NBCは1話1時間の連続ドラマ13話分を『ワーナー』に追加発注するとね。続編ミニシリーズをまだ何も決まっていない連続ドラマへの客寄せ商品とすることにして、『ワーナー』は同意した。『ワーナー』にとってもそれしか前に進む方法はなかった。当時でさえ彼らは連続ドラマから長期的に稼ぐ方法を探していたんだよ。

Question: Why are networks not making miniseries anymore?

Kenneth Johnson: Here's the perfect example. When we did "V" originally in 1983, [NBC programming executive] Brandon Tartikoff and I envisioned [the first miniseries] as a pilot for some ongoing series. After the four-hour miniseries, it became clear it was going to be too expensive to do as a one-hour episodic show. Instead of doing it as a one-hour series, we said, let's do it as a six-hour sequel miniseries and Warner Bros., [which owns the rights to "V"], said no, we don't want to do that. The reason is there was no upside for them. On a series, if you get a hit, the studio stands to make quite a bit of money. But as a one-off six-hour event, it doesn't take them into that world. It wasn't until Brandon said, if Warner will do a six-hour sequel, then NBC will give Warner an additional order for a separate one-hour series, 13 episodes, a put series commitment. Nobody had ever gotten that. Warner Bros. agreed, viewing the miniseries as a loss leader for a blind series commitment. That's the only way Warners would go forward. Even back then they were looking at the longer term of how to make money on series.

質問: 『V: ORIGINAL SERIES』のあと降板された理由はなんだったのですか?また『V: THE FINAL BATTLE』にはどの程度関わっていたのでしょうか?

ケネス・ジョンソン: クレイグ(・ファウスタス)・バック、ペギー・ゴールドマンとダイアン・フロロフの3人を雇い、『ワーナー』のオフィスで6時間の続編を作った。ぼくが書いた最初のの4時間(『V: THE ORIGINAL MINISERIES』)よりもよいものができあがり、ブランドンも気に入ってくれていた。順調に歩きはじめたところで『ワーナー』から電話があり、ぼくが彼らの望みどおりの速く、安く、そしてひどいものを作らないことに不安を抱いていると言われたんだ。彼らは質ではなく、不安要素を片づけてしまうことを望んでいた。ぼくは「監督するなというのが契約違反になることに気づいているのか?」と言うと、「そんなことはどうでもいい。それよりも連続ドラマに取り組んでくれ」と言われたんだ。それで思った、もしスタジオがぼくが作りたいように『V』をやらせてくれないならやめようと。彼らは言ったよ、「12時間の連続ドラマを自ら辞めるやつなんていない」と。それで言ってやったんだ、「そっちがぼくにそうさせているんだ。ほかになんと言えばいい?」ってね。結局彼らは脚本を別のグループに渡し、書き直させた。生まれた赤ん坊をまったく知らない、信用もしていない里親に預けるような気持ちだったね。(中略)『V: THE FINAL BATTLE』はいまだに30秒ほどしか観たことがないよ。その30秒で、彼らはすべてにおいて間違った選択をしていたよ。

Q: Remind me why you quit after the original "V"? How involved were you in "V: The Final Battle"?


KJ: I hired three writers to work with -- Craig Buck, Peggy Goldman and Diane Frolov -- and sat in my office at Warner Bros. and fashioned the six-hour sequel. It was better than what I had written in the first four-hours and Brandon loved it. We were just starting down the road and Warners called and said they were concerned I wouldn't direct it as quick and cheap and dirty as they wanted it. They were anxious to get it over with and out of the way and not pay too much attention to quality. And I said, "You realize by asking me not to direct, you're breaching my contract?" And they said, "We don't care, we want you to work on the blind series commitment." And I thought, if they won't let me make "V" the way I want to direct it, I should depart the studio. They said, "Nobody walks away from a 12-hour series commitment on the air." And I said, "You're forcing me to do it, what can I say?" So they handed off the script and had it re-written for a different group of people. It was a bit like having a baby and giving it over to the foster parents you didn't know or trust. ... To this day I've only seen 30 seconds of it and watched them make every wrong choice in 30 seconds.

質問: あなた自身が書かれたものはどの程度残ったのでしょう: 異星人の双子、洗脳室や赤い粉などは?

ケネス・ジョンソン: そう、ぼくのアイデアだ。でもぼくらの書いたエンディングでは、マイクとジュリーは捕らえられた人々を救うためにシャトルに乗ってビジターのマザー・シップを追いかけるんだ。ビジターたちはそのことを知らない。2人はみんなを救い出すための方法を見つけ出すのかもしれない。そういうオープンな形で終わらせたんだよ。

Q: How much from what you wrote did they use: The alien babies, the conversion chamber, the red dust?

KJ: Yes, but at the end of ours when the Visitors were leaving, Donovan and Juliet didn't want them to go and take all of our people and we had them in a fighter that flew into a departing Mothership without the Visitors knowing what they had done. Maybe they would have found a way to save everyone. We left it open-ended that way.

質問: なぜふたたび『V』の世界へ?

ケネス・ジョンソン: 『ワーナー・ホーム・ビデオ』のDVDを制作している時だったね。ラスト・シーンでフェイ(・グラント。レジスタンスのリーダー、ジュリエット・パリッシュ役)は敵の敵は味方に違いないという希望を託して深宇宙へメッセージを送った。その時に思ったんだ。20年後はどうなったのかのストーリーを書いたらどうなるだろうかと。ビジターはすべてのメディアとコミュニケーション・システムを支配して望むままの真実を作り上げることができる。彼らはエイズ、がんや心臓病を治す一方で我々の水を盗み、海はすでに半分になってしまった。それを彼らは惑星レベルの透析であり、浄水を行った上で再び戻すと説明している。ドイツ支配下にあった1943年のパリに住んでいるようなものさ。隣に座る兵士たちが気にならなければ、シャンゼリゼでカプチーノを飲むことができる。巧妙に編集されていることや、たまに友人が消えてしまうことが気にならなければ映画館にも行ける。今日世界で起こっていることを表現するおもしろい寓話になると思ったんだ。最初の『V』を書いた時にはソビエト連邦とアメリカ合衆国が超大国だったけれど、今では「わたしたちはあなた方のすばらしいリーダーで、あなた方にとって何が最善なのかを理解しています。道から外れず、質問しないこと。わたしたちの望むようにするために法律を弱体化させることもありますが、あなたたちの面倒も見ますよ」と唱える者たちが主導する超強大国が1つあるだけだろう。(中略)

本の3分の1が終わるころにはレジスタンスは勝利への望みは絶たれてしまうが、そんな時裏口にノックの音がするんだ、(新たな異星人種が現れて言う)「あなたたちのメッセージを受け取りました。助けに来ましたよ」。追求するに値する魅力的なコンセプトになったんだ。

Q: Why did you decide to re-visit "V"?


KJ: When I was putting together the DVD [of the original] for Warner Home Video, the last scene had Faye [Grant as resistance leader Juliet Parish] sending a message to deep space hoping that the enemy of my enemy is my friend. And I thought, what if I picked up the story 20 years later to see what happened? We see Visitors control all the media and all communications and they can make the truth be whatever they want the truth to be. On the other hand, they cured AIDS and cancer and heart disease, but they're taking our water and half the oceans are gone. They say it's dialysis on a planetary scale, that they're just cleaning the water and will bring it back. It's a little like living in Paris in 1943 during the German occupation. You could have your cappuccino on the Champs Elyse if you didn't mind soldiers sitting next to you. You could go to the theater if you didn't mind that it was carefully edited and some of your friends would disappear occasionally. I thought it became an interesting allegory for what's been going on today in the world, particularly since when we wrote the original "V" the Soviet Union and the United States were the superpowers and now we have only one hyper-power, led by a group of people who say, "We are your wise leaders, we know what's best for you, stay the course, don't ask questions and we'll do what we want, undermine the Constitution a little bit, but we'll take care of you." ...

By the end of the first third of the book, it does look like our resistance is hobbled and they have no hope of winning and then there's a knock at the back door [and a new race of aliens arrive and say], "We got your message. We're here to help." That became a very exciting concept for me to pursue.

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質問: 『V: THE SECOND GENERATION』では、『V: THE FINAL BATTLE』や『V2/ビジターの逆襲』の出来事は完全に無視されています。あの中で死んでしまったキャラクター、科学者のロバート・マックスウェル、味方のビジターのマーティンや他のキャラクターたちも再び登場します。
それらすべてを無視することにしたのはなぜですか?

ケネス・ジョンソン: 20年の間にはほんとうにたくさんのことが起こり得ると思うんだ。90年代の終わりごろ、多くの命が失われ、一掃された「大粛清(ソビエト連邦《ソ連》の最高指導者ヨシフ・スターリンが1930年代にソビエト連邦および衛星国のモンゴル人民共和国などで実行した政治的弾圧)」のことを伝えたいと思ったことがあってね。(中略)最初に創り上げたものと、もともと意図していたものに戻ってみたいと思ったんだよ。彼らが『V: THE FINAL BATTLE』で行ったすべての変更点について何も知らなかったが、ハム(・タイラー)については知っていたよ。あのキャラクターは車椅子に乗っているという設定だったんだけど、(俳優の)マイケル・アイアンサイドはプロデューサーたちに「おれの名前はアイアンサイドだ、車椅子になんて乗れない」と言ったんだ。彼らはこのような変更を重ね、大規模なものにしてしまった。(中略)だが、『V: THE FINAL BATTLE』を観たことがあって、すでに『V: THE SECOND BATTLE』を読んだ人たちは誰も気にしていないようだよ。これは最初にぼくがやろうとしていたことをもとにオリジナルでもっとも重要だったキャラクターたちを継承し、そこに新しいキャラクターたちを登場させるまったく新しい作品なんだ。

Q: In "V: The Second Generation," the events of the second miniseries and series are completely ignored. Characters that died are alive again, including scientist Robert Maxwell, fifth columnist Martin and other characters. Why ignore all that?

KJ: I figure a lot of water can go under the bridge in 20 years. I felt by introducing a "great purge" of the Resistance in the late '90s when many people were lost and swept away by that. ... I wanted to go back to what I had built to begin with and what my original intent had been. I felt that I wasn't that informed about all the changes they made in "The Final Battle." I knew the character of Ham. He was supposed to be in a wheelchair. [Actor] Michael Ironside went to the producers and said, "My name's Ironside, you can't put me in a wheelchair." They made all these changes of such a gross magnitude. ... I have found among people who got an early read of the book who had seen "The Finale Battle," nobody seems to have minded. This is a new piece that builds off of what I originally had done and carries on with the characters that were most important in the original and introduces a new set of characters.

質問: 『V: THE FINAL BATTLE』と『V2/ビジターの逆襲』を無視したことにNBCの重役たちは懸念を抱きませんでしたか?

ケネス・ジョンソン: まったくなかったよ

NBCの懸念は「ワルシャワ・ゲットー(第二次世界大戦中にナチス・ドイツがポーランドのワルシャワ市内に設置したユダヤ人隔離地域)」を舞台にした気の滅入るようなミニシリーズがうまくいかなかったことだったね。作品が暗すぎたのではないかと嘆いていたから、困難に打ち勝つ人々を描いているんだから暗くなくちゃだめだろう言ってやったよ。

Q: Did NBC executives have concerns about ignoring the events of the second miniseries or the series?

KJ: Not at all.

What they were concerned about was that they did a miniseries about the Warsaw ghetto and it didn't do well because it was such a downer. They were concerned about this being too grim and dark and I said, it has to be grim and dark for people to triumph over it.

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質問: オリジナルの『V』と『V: THE SECOND GENERATION』の売り込みにはどんな違いがありましたか?

ケネス・ジョンソン: 1983年にブランドンに会いに行った時、ぼくは彼にストーリーを話して聞かせただけで結局彼は1度も読まなかったんだ。最後に脚本を書いて来いとだけ言われてね。19日間かけて230ページの脚本を書いて持って行くと、彼は週末にかけてそれを読み、月曜日には「制作に入れ」と言ったんだ。通常脚本は稿を重ねるごとに違う色のページが使われる。第1稿は白のページ、第2稿は青のページといった具合にね。『超人ハルク』と同じく、『V』は白のページ、第1稿で撮影したよ。

ぼくがNBCと『V: THE SECOND GENERATION』脚本執筆の契約を結んだのは、ちょうど企業買収が盛んに行われていた時だった。そのさなかにNBCがヴィヴェンディ・ユニバーサル(英語: VIVENDI UNIVERSAL)を合併買収し、大きな混乱が生じた。ブランドンが週末に脚本を読む代わりに彼らは5、6ヶ月かけて読み、それでも確信を持つことができなかった。こんなことを言われたことがあるよ、「これはリンゴについてのすばらしい脚本だ。でももしオレンジについてだったらどうだろう?」とね。「ストーリーについては互いに合意していたはずだ!」と言って聞かせなければならなかった。とてもイライラさせられたよ。(中略)

ある時、彼らは「脚本はとても良いが、まずは『V: THE ORIGINAL MINISERIES』をリメイクするべきだ」と言い出した。『ワーナー』もぼくも当然「なぜ?」と聞いたね。ぼくらはNBCのクリエイティブのトップたちと話していたんだけど、彼らは「あれはわれわれのアイデアではなく、マーケティング部門の考えだ」と言うんだ。これがすべてを物語っているよ。誰が主導権を握っていて、ネットワークがなぜひどい状況にあるのかわかるだろ?

Q: How did your experience differ between pitching the original "V" and "V: The Second Generation"?

KJ: When I went to Brandon in 1983, I told him the story. He never read it. At the end, he said, go write the script. I wrote a 230-page script in 19 days brought it back, he read it over the weekend and on Monday he said, "Go to production." On scripts you do revisions on different color pages. The first draft is white, the second set is blue. With "V" we shot the white pages of my first draft. Same thing happened on "The Incredible Hulk."

When I sold [a script commitment for] "V: The Second Generation" to NBC, it was a time when there were corporate takeovers. In the midst of this, there was a management change and suddenly NBC was buying Universal and the whole big tangle there. Instead of Brandon reading it over a weekend, these guys would take five and six months to read a draft and then be not certain. One of the things I got was, "This is a good script about apples. What if it was about oranges?" And I said, "We already agreed on the story!" It was a very frustrating situation. ...

At one point they said, this is a pretty good script, maybe we should re-make the original miniseries first. Warners and I said, Why? We were sitting with the creative heads of NBC and they said, "It wasn't our idea. It was the marketing department that thought it would be a good idea." I think that says it. It gives you a sense of who's running the show, why networks have gotten themselves into bad places.

質問: 続編について主要キャスト陣と話をしましたか

ケネス・ジョンソン: 主演陣とは話したよ。配役はやりなおすこともできるしね。今じゃよくあることだね。でもぼくはマーク(・シンガー)、フェイ(・グラント)、ジェーン(・バドラー)、ロバート(・イングランド)やほかの助演俳優陣が大好きなんだよ。観客も親しみのあるキャラクターたちの20年後を観るのを楽しみにしていると思うんだ。そんなことができるのはとても珍しいことだよね。

Q: Did you discuss this sequel with the primary cast members?

KJ: The principals I did. Any of them could have been recast. We see that happen. But I have huge affection for Marc [Singer], Faye, Jane [Badler] and Bobby [Englund] as well as some supporting players. For me the fun for the audience was having them see the same faces 20 years older. What a rare thing to be able to do that. -

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Faye Grant as Juliet Parrish, Marc Singer as Mike Donovan, and Jane Badler as Diana in V: THE FINAL BATTLE (1984)

2008年10月28日には、『V: THE SECOND GENERATION』と同じ「TOR BOOKS」からA・C・クリスピンによるノベライゼーションが『V: THE ORIGINAL MINISERIES』のタイトルで再出版されています。

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タイトルからもわかるように『V: THE FINAL BATTLE』に当たる部分はカットされ、代わりにジョンソンが『V: THE SECOND GENERAION』へリンクする部分を加筆しています。

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上記のインタビューのあと、『ワーナー・ブラザーズ・テレビジョン』は『V』のリメイク制作を決定し、ジョンソンの続編制作プランは立ち消えてしまいました…。

「リ・イマジニング」された『V(原題: V)』はABCで2009年11月3日から2011年3月15日まで、全2シーズンが放送されました。
ジョンソンの名前も「原案」としてクレジットされていますが、実際には自分の名前を外すよう「全米脚本家組合(英語: THE WRITERS GUILD OF AMERICA)」に働きかけたほどで、いっさい関わっていません。

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ぼくも予告編や「メイキング」は観たものの、過剰に使用されるCGにうんざりして本編はまったくノーマーク…。

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V (2009)

シーズン2にはダイアナ役でジェーン・バドラーも出演していますが、その設定はオリジナルのダイアナにあたるビジターのリーダー、アナの母親にして先代の女王だそうで、オリジナルとは違うキャラクター。

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Jane Badler as Diana in V (2011)

また最終話にはマーク・シンガーもゲスト出演し、軍の上層部と各国政府のトップで構成されている最高機密組織に属すラーズ・トレモントを演じています。

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Marc Singer as Lars Tremont in V (2011)

予告編を観なおしてみるとプロダクション・デザインやCGはすでに「時代遅れ」だし、アナがネズミを丸飲みするシーンは1983年版の足元にも及ばない…。
改めてオリジナルの「年の取らなさ」を感じます。

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Morena Baccarin as Anna in V (2011)

スタート時の評価はおおむね好評だったようですが、全13話で制作される予定だったシーズン2が10話に短縮されたのちに打ち切られたことから見ても、近年数多く作られているリメイク作品同様、そもそも制作する必要なかった…。

2018年2月6日、アメリカの制作会社『デシル・スタジオ(英語: DESILU STUDIOS INC.)』が映画版『V』の制作を発表。
ジョンソンも「『デシル』と手を組むことによって、時代を超えた-そしてタイムリーな-専制君主に対抗するレジスタンスのストーリーを21世紀に蘇らせられることをうれしく思っています。『V』は私がつねに思い描いていた方法で壮大な物語を伝える映画三部作の最初の作品となります。 "We are delighted to team up with Desilu to bring the timeless—and timely—story of resistance against tyranny into the 21st Century. V will be the first of a cinematic trilogy which will tell the full epic tale in the manner I always envisioned."」と喜びの言葉を寄せていました。

『デシル・スタジオ』の「デシル」は、1951年から1957年までCBSで放送されたシットコム『アイ・ラブ・ルーシー(原題: I LOVE LUCY)』の主人公ルーシー・リカードとその夫リッキーを演じたルシル・ボールとデジ・アーナズ夫妻が1950年に設立した制作会社『デシル・プロダクション(英語: DESILU PRODUCTIONS)』から取られたもの。

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Lucille Ball and Desi Arnaz

『デシル・プロダクション』は、『アイ・ラブ・ルーシー』終了後、1960年の離婚を機にボールがアーナズの権利を買い取ったあとも、1966年から1969年まで放送されたNBCの『宇宙大作戦(原題: STAR TREK)』や、1966年から1973年まで放送されたCBSの『スパイ大作戦(原題: MISSION: IMPOSSIBLE)』など、数々の人気シリーズを制作しました。
その後同社はさまざまなスタジオに買い取られ、社名も次々と変わりましたが、2013年にCharles Hensleyという人物がまったく別の『デシル・スタジオ』を設立します。

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ところが2018年10月、Hensleyが「デシル」の名を使って何も知らない投資家たちに詐欺を働いているとして、同年初頭にHensleyと「デシル」の商標権を巡って法廷で争った経緯のあるCBSがカウンター訴訟を起こしたのです。

このできごとによって映画版『V』のプロジェクトも白紙に…。

でも大丈夫!
まだ大丈夫です!

2019年8月27日、「ワーナー・ブラザーズ」の所有する莫大なライブラリーから「オンデマンド方式」でDVDやBlu-rayの製造・販売をしている「ワーナー・ホーム・ビデオ」部門の1つ「ワーナー・アーカイブ・コレクション(英語: WARNER ARCHIVE COLLECTION)」(以下「ワーナー・アーカイブ」)から、新たなリマスターによる『V: THE ORIGINAL SERIES』Blu-rayがリリースされました。

これを記念し、「ワーナー・アーカイブ」は2019年7月19日-22日にカリフォルニア州サンディエゴで行われた「サンディエゴ・コミコン2019(英語: SAN DIEGO COMIC-CONVENTION 2019)」の初日、「WARNER ARCHIVE CELEBRATES V: THE ORIGINAL MINI-SERIES」と題したパネル(=プレゼンテーション)を開催。

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“V” creator Kenneth Johnson and star Marc Singer appeared on a panel with the Warner Archive team at San Diego Comic Con to promote the new “V:The Original Miniseries” Blu-ray.
"SDCC: THE VISITORS ARE RETURNING AS “V:THE ORIGINAL MINISERIES” MAKES ITS BLU-RAY DEBUT" by Joe Vanourney, CherryLosAngeles the Geek

「ワーナー・アーカイブ」チームが鮮明に生まれ変わった『V: THE ORIGINAL SERIES』のHD映像を上映、ケネス・ジョンソンとマーク・シンガーも登場し、『V: THE ORIGINAL SERIES』の制作秘話を披露しました。
ジョンソンは映画三部作にも触れ、1995年から始まる『ジュマンジ(原題: JUMANJI)』シリーズを手掛けたプロデューサー、テッド・フィールドが制作を統括することや、「プリビズ(英語: PREVISUALIZATION)」(CG映像を制作する前に、完成した状態を確認するためのシミュレーション映像)を紹介。
1作目は1980年代を舞台にした『V: THE ORIGINAL SERIES』のリメイク、続編2作は1作目から35年後の世界を描くそうで、実現すれば、今度はスクリーンでシンガーのマイク・ドノバンを観ることができそうです。

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(L-R): Promoting the upcoming Warner Archive Blu-ray of ‘V: The Original Miniseries,’ actor Marc Singer and creator Kenneth Johnson.
"Warner Archives’ Impending ‘V’ Blu-ray Inspires Reflections on Sci-Fi Miniseries’ Legacy" by John Latchem, Media Play News

『V: THE ORIGINAL SERIES』Blu-rayはDVD同様、80年代アナログテレビの標準アスペクト比だった「1.33:1」ではなく、ワイドスクリーンのアスペクト比「1.85:1」で収録されています。
ジョンソンによると、彼が手掛けた1977年の『超人ハルク』パイロット版がヨーロッパでは劇場公開されたため、その可能性を見すえて『V』では最初からこのアスペクト比を採用していたのだとか。

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またBlu-rayではサウンドトラック(映画のフィルム上における音声が収録されている部分)も新しく生まれ変わりました。
パネルでジョンソンは「DVDの時は『ワーナー』からステレオ・ミックス制作の許可が下りず、サウンドはモノラルだったんだ。今回は完璧なものを作り上げるためにいつもの2倍の時間をかけたよ。 “When they released it on DVD, it had mono sound because Warner wouldn’t let me mix it in stereo. I spent twice as much time doing the sound for this Blu-ray to get it right.”」と振り返っています。
DVD同様、「映像特典」として「メイキング(約25分)」、「音声特典」として「監督ケネス・ジョンソンによる音声解説」が収録されています。

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『V: THE ORIGINAL SERIES』Blu-rayリリースから遅れること約8ヶ月、2020年4月14日には同じ「ワーナー・アーカイブ・コレクション」から『V: THE FINAL BATTLE』Blu-rayもリリースされました。

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2005年10月4日にリリースされたDVDのアスペクト比は上下をクロップした形での「1.85:1」でしたが、Blu-rayは放映時とおなじ「1.33:1」で収録されています。
またBlu-rayには、「映像特典」として2本の予告編「Next on V: The Final Battle – Part 1」と「Next on V: The Final Battle – Part 2」も収録されています。
DVDには「特典」の類がいっさいなかったのでうれしいはうれしいけれど、「コメンタリー」や「メイキング」なども収録してほしかった…。

今のところ日本版のリリース予定はないようですが、どちらも「リージョンフリー」でネット上でも簡単に手に入れることができます。

1984年の『V: THE FINAL BATTLE』の時点で自分の想い描いていたとおりの作品が作れなかったジョンソンの無念を思うとぜひ映画三部作を実現してほしいし、『V: THE ORIGINAL SERIES』のようなよい意味での「重み」のある「完結編」ならぜひ観てみたい。
と同時に、はじめて『V: THE FINAL BATTLE』を観終わった時から今も持ち続けているあの感動を壊されてしまうのではないかという「怖さ」もあり、複雑な気持ちです…。

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kennethjohnson.us

2011年秋に2009年の「リ・イマジニング」版『V』を日本初放送した海外ドラマ専門チャンネル「スーパードラマ!TV」の公式サイトでは、『V: THE ORIGINAL MINISERIES』と『V: THE FINAL BATTLE』を次のように紹介していました。

- ファンを熱狂させた「V」現象再び
1983年から全米NBCネットワークで放送されたオリジナル版第1章の全米視聴率は25.4%!そして日本におけるレンタルビデオの黎明期だった1987年11月6日にVHSビデオでのリリースにて日本上陸。ハマったファンがレンタルした巻を返却すると同時に次の巻を借りる“「V」現象”が発生し、最高で141回、平均で49.25回という、レンタルビデオ・DVD業界において異例の高回転をマーク!後の「ツインピークス」や「X-ファイル」「24」などに先駆け、“貸出し中”の札が外れないという大反響を呼び、日本における「海外ドラマをレンタルビデオで楽しむ」ことの元祖といってもいい作品となった。そして1988年12月からは地上波のゴールデンタイムで放送され、最高22.7%、平均18.5%という高視聴率を記録。“ビデオで先行してヒット→TV放送でも人気”というパターンを、こちらも日本において史上初めて確立した! -

キャストやVFXをはじめ、今振り返ってみると1984年の時点ですでに「80年代SF作品」のすべてが詰まっていた『V: THE ORIGINAL MINISERIES』と『V: THE FINAL BATTLE』。
ぜひ体験してみてください!

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V: THE FINAL BATTLE (1984)

「全5巻7時間38分07秒」は強敵だった…。(06/20/20)


V © 1983 Warner Bros. Inc.
V: THE FINAL BATTLE © 1984 Warner Bros. Inc.
V: THE SERIES © 1984 Warner Bros. Inc.
ALIEN NATION © 1988 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
SHORT CIRCUIT 2 © 1988 TriStar Pictures, Inc. All Rights Reserved.
STEEL © 1997 Warner Bros. Entertainment Inc. STEEL and all related characters and elements are trademarks of and DC Comics. All rights reserved.
TWILIGHT ZONE: THE MOVIE © 1983 Warner Bros. All Rights Reserved.
THE BEASTMASTER © 1982 MGM, Leisure Investment Company
THE DEAD POOL © 1988 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
BLUE THUNDER © 1983 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
MISSION: IMPOSSIBLE © CBS Broadcasting, Inc. All Rights Reserved.
POLTERGEIST © 1982 Warner Bros. Entertainment Inc.
CAST AWAY © 2000 DreamWorks L.L.C. and Twentieth Century Fox Film Corporation.
DIE HARD 2: DIE HARDER © 1990 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
A NIGHTMARE ON ELM STREET © 1984 New Line Productions, Inc.
NORTH BY NORTHWEST © 1959 Turner Entertainment Co.
FROM RUSSIA WITH LOVE © 1963 UNITED ARTISTS CORPORATION & DANJAQ, LLC
INTERNAL AFFAIRS TM, ® & Copyright © 2003 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
PREDATOR 2 © 1990 Twentieth Century Fox Film Corporation.
CELLULAR © 2004 New Line Productions, Inc.
LOS ANGELES 1984 SUMMER OLYMPICS LOGO © 1980 L.A. Olympic Committee
FUTUREWORLD © 1976 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
INNERSPACE © 1987 Warner Bros. Entertainment Inc. All Right Reserved.
HIGHLANDER 2: THE QUICKENING © 1990 Harat Investments Limited.
TOTAL RECALL © 1990 Carolco Pictures, Inc. All Rights Reserved.
SUPERMAN II © 1981 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
FORCE 10 FROM NAVARONE © 1978 ORION PICTURES CORPORATION
STAR TREK: DEEP SPACE NINE © CBS Studios Inc. All Rights Reserved. STAR TREK and related marks are trademarks of CBS Studios Inc.
STAR TREK: GENERATIONS © TM & Copyright 1994 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. STAR TREK and related marks and logos are trademarks of CBS Studios Inc.
INDEPENDENCE DAY © 1998 Twentieth Century Fox Film Corporation.
UPRISING © 2001 Brooklyn Films and Warner Home Video.
V © 2009 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

by 2moon1 | 2020-06-20 21:00 | movie reviews | Comments(0)
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